東大の現在地を足元から描き出す本連載。前編では主に現在東大の抱える課題について検証した。今回の後編では、米国型リベラルアーツ教育の伝統を持ちその教育力が高く評価されている国際基督教大学(ICU)と、教育改革に関して長年提言し、自身もかつて改革に携わった吉見俊哉教授(情報学環)の取材も踏まえ、さらなる課題の追求とともに、どうすれば学びを深化させうるのか、東大の教養教育で目指すべきものは何かについて考える。 (取材:原田怜於) 前期課程の両面性 東大に特徴的な制度である進学選択制度。前期課程と後期課程の接続が必要な東大に独自のこの制度は学生の学びのあり方にどのような影響を及ぼすのか。 「東大のカリキュラムは、前期課程では幅広く教養を学び、後期課程では専門分野を究める内容になっている」と話すのは松木則夫理事・副学長(教育担当)だ。東大のポリシーとしてもこの主張は掲げられている(表1)が、前期課程
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