高齢者のフレイルは、寝たきりや要介護の強いリスク因子であることから、その早期発見と予防介入が個人と社会の健全化において重要な意義を持つ。フレイルには身体的、社会的、精神的要素が含まれ、このうち身体的フレイルの主たる原因は、サルコペニアである。サルコペニアとは、骨格筋の減少と身体機能の低下が併存した状態をいう。これまでに明らかにされたサルコペニアの代表的なリスク因子として、加齢、低体重、低栄養、日常生活活動の低下が挙げられる。加えて社会活動の低下もサルコペニアの要因となることが指摘されているが、両者の関連について検討した研究は少ない。そこで本研究では、地域住民を対象に社会活動とサルコペニアの要素である骨格筋量との関連を検討した。 滋賀県長浜市民を対象とする長期縦断研究(ながはまコホート)の登録者2,212名を解析対象とした。社会活動を含めた社会経済因子に関する質問調査は、郵送法で実施した。生