あの熱気は何だったのか――。54年前の1969年、京都大で大規模な学生紛争が起きた。当時の学生や教員の熱量を資料から読み解く企画展「1969年再考」(入場無料)が、同大学百周年時計台記念館(京都市左京区)で7月2日まで開かれている。反響があり、当初より会期を1カ月延長した。 60年代、世界各地で若い世代が運動 60年代後半、世界各地で若い世代による運動が巻き起こった。68年にフランスで権力への抗議運動「5月革命」、旧チェコスロバキアでは民主化運動「プラハの春」があり、うねりは日本の大学にも広がった。 「京大紛争」は69年1月、学生寮を巡る問題の団体交渉に不満を持った寮生が、学生部の建物を閉鎖したことが始まりとされる。教育・研究のあり方への批判も相まり、紛争は激化。バリケード設置や学生同士の衝突、授業停止、入試の学外実施など、大学は混乱にのみ込まれた。同年9月、学生らを含む全共闘(全学共闘会