立法と調査 2016.1 No.373(参議院事務局企画調整室編集・発行) 58 折り返し地点を迎えた「教育再生」の実行 ― 教員の資質・チーム学校・学校と地域の連携・不登校 ― 文教科学委員会調査室 戸田 浩史 1.はじめに 平成 24 年 12 月の第二次安倍政権発足以来、教育再生実行会議(以下「実行会議」とい う。 )の提言を受けて、文部科学(文部)大臣として戦後最長任期となった下村大臣の下、 いじめ対策、道徳の教科化、教育委員会制度改革、大学のガバナンス改革、小中一貫教育 の推進など重要な教育施策が相次いで実施されてきた。しかし、新国立競技場整備計画を めぐる一連の混乱の中、27 年 10 月の内閣改造により下村大臣は退任し、馳浩衆議院議員 が新大臣に任命された。一方、実行会議も同年 11 月、鎌田薫座長(早稲田大学総長)は留 任したもののメンバーを一新し、新たな体制で「情報化時代