大江英樹(おおえ・ひでき)氏 経済コラムニスト。1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務、企業年金制度のコンサルティングなどに従事。定年後の2012年にオフィス・リベルタス設立。写真:洞澤 佐智子 前回、老後破産を防ぐには、お金の「入」と「出」を自分なりに把握することだと書きました。しかしながら私が見る限り、ほとんどのサラリーマンはきちんと自分の収支をつかんではいません。それでも何となく定年退職の日を迎え、何となくリタイア後の毎日を過ごし、多くの人は生活に困窮するほどの目にはあっていません。 「『自分の収支を把握しろ』って言うけれど、別にそんなことしなくても大丈夫じゃないか?」と思っている人もいるでしょう。確かに一般的にサラリーマンはそこまでやらなくても何とかなっているというのも事実です。これは一体どういうわけなのでしょう。その理由は、サラリーマンという職業の特性にあるので