ソニーと東芝が、次世代の薄型テレビと期待される「有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビ」の商品化に相次いで乗り出す。現在主流の液晶やプラズマに比べ、厚さ数ミリと大幅に薄くて軽いのが最大の売りだ。薄型テレビでシャープや松下電器産業に出遅れた両社は一気に巻き返しを図りたい考えだが、製造コストの削減や大画面化が難しいなど課題も多く、普及には時間がかかる可能性もある。(水上嘉久) 「新たな挑戦として、年内に11型の有機ELテレビを商品化したい」――。 ソニーの井原勝美副社長は、4月中旬に東京・有明で開かれた薄型ディスプレーの展示会で、こう宣言し、業界関係者の注目を集めた。 ソニーが試作した有機ELテレビは、11型で厚さ3ミリ・メートル、27型で10ミリ・メートルの極薄タイプ。有機物質が自ら光を放つ仕組みを利用しているため、液晶のようなバックライトが不要なことから、超薄型化が可能となった。明暗