作家、村上春樹さんの世界的ベストセラーを原作に制作が進められ、平成22年冬に公開予定の映画「ノルウェイの森」のロケ地となった兵庫県神河町が、「千載一遇のチャンス」として、観光客誘致の取り組みを始めた。今月には鉄道会社などと共同で観光振興推進委員会を設置し、具体策の検討に入るなど、少子高齢化で過疎化が進む山あいの町は、映画特需に活気付いているが、アクセスの悪さなどの課題も浮上。一過性ではない観光地づくりを模索している。 「ノルウェイの森」は35カ国語以上に翻訳され、全世界にファンがいる小説。映画はベトナム系フランス人のトラン・アン・ユン監督がメガホンを取る。若手人気俳優の松山ケンイチさんが主人公の「ワタナベ」を、女優の菊地凛子さんがワタナベの親友の恋人だった「直子」を演じる。 神河町は兵庫県のほぼ中央に位置し、人口は約1万3千人。町の約8割を山林が占め、高齢化率は28%にのぼり、少子高齢化と