毎年ゴールデンウイークが明けると、新入社員が各部署に配属される。組織の新しい血となり活性化を促す、と期待されるのが新入社員だが、今年は指導係であるはずの配属先の社員が音を上げてしまうかもしれない。 「働き始めていないとはいえ、もう少し今の経済状況を分かっていると思っていたが…」。新人研修を受託するリンクアンドモチベーションの水谷健彦取締役は嘆息する。 水谷取締役が危機感を抱くのは、今年の新入社員の自発性に疑問符がつくからだ。同社では、新入社員が架空の顧客に対して企画を提案するというプログラムを提供している。顧客役の社員の反応を見ながら、新入社員は自分の頭で企画の過不足を考えて、改良を繰り返す必要がある。 ところが今年、「いい企画ができそうにないから辞退します」というチームが出てきたという。その数は進行が遅いチームのうち1割程度と高い。「今まで辞退する社員を見たことがない。すぐに諦める部下を