学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る一連の問題で、大阪地検特捜部は31日、前国税庁長官の佐川宣寿氏(60)や財務省職員ら計38人について不起訴処分にした。いずれも、容疑不十分か容疑なし。特捜部は、決裁文書を改ざんした虚偽公文書作成や、国有地を不当に安く売却したとする背任など6容疑で告発を受理したが、佐川氏らの刑事責任は問えないと判断した。 特捜部は、昨年春から1年以上にわたった捜査を終える。ただ、告発した大学教授らは来週にも、処分の妥当性を判断する検察審査会に審査を申し立てる方針。検審の議決によっては、佐川氏らが強制的に起訴される可能性もある。 財務省は今年3月、国有地の取引に関する決裁文書14件が昨年2~4月に、同省理財局の主導で改ざんされていたと発表。元々の文書には学園との価格交渉に加え、安倍晋三首相の妻昭恵氏や複数の政治家の名前も記されていたが、交渉経緯などとともに削除