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  • 福島電力が破産、新電力数十社巻き込む紛争へ:日経ビジネスオンライン

    福島電力は5月18日に正式に新電力事業からの撤退を発表。7月10日をもって、全エリアでの電力の供給を終了している(「福島電力が6月末から順次供給停止、残る契約者の行方」)。 同社の宮川真一社長は誌の取材に対し、「システムの不備などにより未請求や誤請求が起きてしまい、やむなく新電力事業から撤退することを決め、今後は取次として電気事業に携わることにした」と説明していた。だが、取次としての事業継続は叶わなそうだ。 撤退を決めた時点で、福島電力には約8万の需要家がいた。電力・ガス取引等監視委員会によると、「既に大半の需要家が大手電力や新電力など、他の小売事業者に契約を切り替えた」(取引監視課)という。 既に電力供給を終了していることから、契約切り替え手続きをしていない顧客については無契約の状態となっており、救済措置として一般送配電事業者が電力を供給している。こうした場合は、一般送配電事業者からも

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  • 新電力F-Powerに改善勧告、新ルールは?:日経ビジネスオンライン

    電力全面自由化から丸2年、新電力はいつまでも小さな挑戦者ではない――。 電力・ガス取引監視等委員会は8月2日、新電力大手F-Power(エフパワー、東京都港区)に中途解約に伴う違約金について、顧客への説明が不十分だったとして業務改善を勧告した。新電力への改善勧告は初めてのケースとなる。 F-Powerは2017年11月、高圧および特別高圧の違約金に関して電力需給約款を変更した。同社は1年契約を基としており、1年を超えると自動更新となる。従来は、1年未満での解約には違約金を設けていたが、契約期間が1年以上の場合は中途解約時の違約金を設けていなかった。そこで、1年以上の場合にも違約金を新たに設けた。 全面自由化を経て、高圧部門の価格競争は熾烈を極め、レッドオーシャンとなっている。新電力同士の競争に加えて、大手電力の値引き攻勢も凄まじい。こうした状況の中、数カ月単位で電力の契約先を変える需要家

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  • 今夏の電力市場は「太陽光相場」に:日経ビジネスオンライン

    今夏、電力価格のこれまでの常識が大きく変わるかもしれない。太陽光発電の影響が大きくなり、日中価格が夜間価格を下回る現象が顕在化し始めている。猛暑の日中に電力価格がピークをつけるという過去の常識が通用しなくなったとき、何が起きるのだろうか。 今年は梅雨入りが早い。梅雨ともなれば日差しが少なくなる一方で、湿度が上がり、夏に向けた冷房需要が立ち上がる季節だ。例年であれば、電力需要が伸び始めると同時に日卸電力取引所(JEPX)の取引価格が少しずつ上昇していく。ところが、今年は様相が違う。 グラフ1を見て頂きたい。上段は大阪の1日の最高気温とその日の天気予報(晴れか雨かなどのマーク)記した。下段は、関西電力管内の日中価格(7時~16時:日照が期待できる時間帯)と夜間価格(20時~翌4:00:日照が期待できない時間帯)のそれぞれの平均の推移である(2018年3月~6月初め)。

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  • 北海道の電力市場価格がおかしい:日経ビジネスオンライン

    北海道エリアの卸電力市場価格が、電力需要が減る春になっても高値に張り付いている。北海道地域の新電力は苦しい電力調達を強いられている。高値要因の精査が求められる。 「北海道の卸電力価格は異常な状態が続いている。正常なビジネスができない」。北海道エリアで電力小売りを手がけている新電力幹部は厳しい表情を浮かべる。 冬場、全国的に高騰した電力市場価格だが、3月に入り気温が上昇してからは落ち着きを取り戻し、足元では平穏な“春相場”が続いている。 しかし、北海道エリアだけは別だ。今も異様な高値のままである。 下のグラフは4月25日水曜日受け渡しの北海道エリアプライスとシステムプライス(全国価格の指標)を比較したものだ。北海道の価格は、需要が少ない夜間でも全国価格に比べて数円程度高い。需要が増える昼間時間帯は10円程度高いことも珍しくない。1年の中でも需要が比較的少なく、平穏なはずの春相場においても、北

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  • 石油はこれから「正味エネルギー」が急減する:日経ビジネスオンライン

    ところが、その原油の「正味エネルギー供給量」は、2000年頃から減少し始めている。 今後も「正味」のエネルギー供給量の減少は続き、石油経済の行方に大きな影響を与える。しかし、ほとんどのエネルギー統計で「正味」は触れられることなく、「見かけ」の数字で構成される。「正味」を語らないエネルギー統計からは、この問題を読み取れない。 エネルギー統計で見えてこない“真実” 「正味」とはどういうことか。 原油を地下から回収するには、油田の探索を行い、発見できれば地下から回収するための設備や機器類を設営し、採掘する。これら全工程で直接あるいは間接的にエネルギーが消費される。当然だが、原油というエネルギー源を回収するには、外部から何らかのエネルギーを投入しなければならない。 ある油井で、原油1バレル(159リットル)相当のエネルギーを投入して、10バレルの原油を採掘できたとする。この10バレルが「見かけ」の

    石油はこれから「正味エネルギー」が急減する:日経ビジネスオンライン
  • シェール革命は短命に終わる:日経ビジネスオンライン

    年明けから原油価格がじわりと上昇している。この値動きは、2017年夏ごろ、1バレル47ドル(WTI=ウェスト・テキサス・インターミディエイト価格)程度だったころから続いているもので、現在の65ドルという水準は2014年末の価格急落以来の高値となる。 原油価格が上昇してくると、いつも想起されるのが「米国シェールオイル(*)の増産」である。果たして、現在進みつつある原油価格上昇でシェールオイルの増産は進むのか。それはいつまで続き、原油価格や世界経済にどの様な影響を及ぼすのか。

    シェール革命は短命に終わる:日経ビジネスオンライン
  • ついに大手電力が「再エネは怖い」と知った:日経ビジネスオンライン

    気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン あけましておめでとうございます。日経エネルギーNext編集長の山根小雪です。年もどうぞよろしくお願いいたします。 2018年はエネルギー業界にとって、大いなる変化の年になりそうな気がしています。2016年の電力全面自由化、2017年のガス全面自由化といった分かりやすいイベントはありません。ただ、大手電力にとっても、新電力にとっても、今年どう動くかがその後の行方を大きく左右すると感じるのです。 その理由は、日のエネルギー業界の巨人である大手電力の“気づき”にあります。 夏に火力発電所がフル稼働しなかった衝撃 「大手電力会社の経営陣から社員までが、初めて再生可能エネルギーを怖いと思った年」。ある大手電力幹部は、2017年をこう表現します。 電

    ついに大手電力が「再エネは怖い」と知った:日経ビジネスオンライン
  • 変化には、「対応せよ」ではなく、「向かっていけ」:日経ビジネスオンライン

    変化に適応し、それを楽しもう――。2人の小人と2匹のネズミの寓話という形で、人生に起きる変化への対処方法を描き、10年前に各国でベストセラーとなった『チーズはどこへ消えた?』(扶桑社)。そして、人生仕事で出会う「山」と「谷」、すなわち順境と逆境にうまく対処し、コントロールする術を説いた『頂きはどこにある?』(扶桑社)。この2冊を通じて、多くのビジネスパーソンの行動に影響を与えているのが、著者のスペンサー・ジョンソン氏だ。 「100年に一度の経済危機」という「谷」にいる私たちが、「山」に登るにはどうすればいいのか。この状況下で求められるリーダーの役割とは? 企業や組織の活性化とリーダーの変革を支援するビジネスコーチ代表の細川馨氏が、ジョンソン氏との対談を通して、今あるべきリーダーの心得を探っていく。 スペンサー・ジョンソン(Spencer Johnson, M.D.)氏 作家。南カリフォル

    変化には、「対応せよ」ではなく、「向かっていけ」:日経ビジネスオンライン
  • 蓄電池導入で「安い電力」になってきた太陽光:日経ビジネスオンライン

    オーストラリアやニュージーランド、米国で家庭向け太陽光発電システムと組み合わせて使う蓄電池ビジネスが広がり始めている。新規事業者が続々と参入。地元電力会社も追随し始めた。太陽光を取り巻く制度変更と蓄電池のコスト低下が追い風となり、海外では一足先に蓄電池の普及に弾みがつきそうだ。 オーストラリアでは、電気料金が高止まりしている中で、2017年からビクトリア州、南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州という人口集中地域の3州で、屋根置き太陽光発電(出力10kW以下)を対象にした固定価格買取制度(FIT)が廃止される。太陽光発電システムを導入しても家庭の売電収入は大きく減る。 豪AGL、世界で初めて家庭向けに蓄電池を発売 FIT廃止を見越して、電力会社として世界で初めて家庭向けに蓄電池を売り出したのが、オーストラリアの大手電力会社であるAGLだ。同社は2015年5月から、台湾AU オプトロニ

    蓄電池導入で「安い電力」になってきた太陽光:日経ビジネスオンライン
  • アマゾンが目指すソフトの覇権:日経ビジネスオンライン

    出足こそ覚束なかったが、米アマゾンの音声認識技術Alexa」がテクノロジーの世界で大きな成功を収めようとしている。 米電子商取引大手のアマゾンが人工知能に基づく音声アシスタント「Alexa」を市場投入したのは、同社が大きな躓きを経験した直後のことだった。同社は「Fire」を引っ提げてスマートフォン市場での成功を目指した。だが、その目論見は外れ、2014年末には1億7000万ドル(約194億6000万円)に上る損失処理 を強いられた。アナリストはFireを史上最悪のスマホだと酷評した。 Fireの失敗は、自社のモバイル・プラットフォームを開発するとのアマゾンの夢を打ち砕くかに見えた。アップルがiPhoneを世に送り出し、アルファベット(旧グーグル)が検索エンジンGoogleで世間を席巻するのを見て、アマゾンは、ライバル企業の技術を介すことなくユーザーと直接つながる方法を必死に探した。 アマ

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  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人 (最終回):日経ビジネスオンライン

    「98年からの2年間が一番苦しかった」 そう工藤さんは述懐する。1997年8月に1000坪の池袋店を開店した日、裏のホテルが倒産した。そこも池袋店の地主が買い取るという。そう聞いて工藤さんは、すぐさま、そこも借りて、2000坪の書店に増床することを決意する。地主と契約を結んだが、銀行からはこれ以上、資金は貸せないといわれる。採算度外視の増床だというのである。 「銀行を口説くのに、1年半かかりました。もう、無理矢理黒字にしたんです」 社員のボーナスをカットした。難波店では、家賃を値切った。 「敷金を返せともいいました」 ぎりぎり黒字にしたが、それでも銀行は貸さないという。3年間の試算表を出すようにともいわれた。 「そういわれても、見込みはたたない。計画表はねつ造して、銀行とは喧嘩腰で交渉しましたよ」 地主との契約を守らなければ、莫大なキャンセル料を支払わなければならない。 「それを銀行に請求

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  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その8):日経ビジネスオンライン

    「今思い出しても、気味の悪いほど大きくて、オレンジがかった黄色の満月でした。狼男でも出そうな雰囲気やなと、女房と話していたくらいなんです」 1995年1月16日の夜、香港旅行から工藤さん夫は芦屋の自宅に帰ってきた。工藤さん夫には、2人の娘さんと男のお子さんがひとりいる。当時、末っ子の長男はまだ幼稚園に通っていた。夫は香港にいく前に、泰子夫人の実家の両親に長男を預けていた。実家は神戸でうどん屋をやっていた。 「戻ってきてから、息子を迎えにいくのは明日にしようと話していたのですが、何か虫の知らせというのか、不安めいたものがあって、やはり今夜中に迎えにいこうということになってと出かけたんです」 神戸に着くと、泰子夫人の両親に礼をいい、息子を車に乗せて芦屋に戻った。満月を見たのは、その帰宅途中だった。何か不吉な予感めいたものを感じた。 その晩、久し振りで親子3人、畳に川の字になって眠った。

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  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その7):日経ビジネスオンライン

    「私は別に書店革命を起こそうとか、ジュンク堂の全国展開を計画していたとか、そんなだいそれたことを考えていたわけじゃないんです。どちらかといえば、行き当たりばったりで、ちゃらんぽらんなところがあった。それが大震災に直面して、眠っていたアドレナリンが爆発したんですね」 1988年に開店した京都店は、2年目に黒字になったが、それはベテラン店員たちの努力のたまものだった。社長が社員をしごいて育てたわけではなく、専門分野をもたされた社員が、それぞれ独自に研究し、それで得たノウハウを、あらたに入社してきた新人に伝えることによって、自然に社員教育ができあがっていったのである。 「私は何もしなかった。みんなベテランの社員がやってくれた。私はスキーにいったり、テニスをしたり、適当に遊んでいました」 工藤さんは別荘をもち、仲間とテニスに興じ、夏はヨット、冬はスキー、女性を横に乗せてスポーツカーを乗り回していた

    書店革命に挑む不思議な魅力の人(その7):日経ビジネスオンライン
  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その6):日経ビジネスオンライン

    「それにしてもお粗末な話やなあ」 恭孝さんがそう慨嘆したのは、サンパル店が、赤字から始まったからばかりではなかった。もともと書店を始めたのは、父の経営する中取次店「キクヤ図書販売」から、や雑誌を卸してもらうためだった。いわば卸し先の書店確保のために、チェーン店つくりをする目的だったのだが、「ジュンク堂」が大型店すぎて、「キクヤ」で扱う商品の範囲を、大きく超えてしまったのである。 「キクヤ」では雑誌の類を主に卸しているのだが、専門書を多く仕入れる「ジュンク堂」では、日販、東販、大阪屋などの、大取次店から仕入れる以外に方法がなくなった。 病気療養中の父親がしぶい顔をしている、と聞かされて、暗澹たる思いでいたのである。 そんなときに、知り合いから、神戸三宮のビルの2階に空き室があるので買ってくれないか、と申し出があった。そこはジュンク堂1号店の、斜め向かいにあった。その人には恩義があったので、

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  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その5):日経ビジネスオンライン

    その後、「ジュンク堂・サンパル店」となるビルの、3つのフロアーを借りてくれないか、と頼んできたのは、工藤恭孝さんの中学時代の同級生だった。店は5年目にして、ようやく黒字化が予測できるところまで、たどりついたばかりである。2号店など出す資力などなかった。 それでも、もともとは書店のチェーン店化を理想としていた恭孝さんには、うずうずするような野心が芽生えていた。 それで試しに、「どこのビルや」と恭孝さんは訊いてみた。 「サンパルや」 「あそこはあかん。絶対ムリや」 さすがに恭孝さんは、がっかりした。 そこは、神戸三宮の東口、雲井町にあるビルだったが、いわば荒涼とした野原に、ポツンとひとつ建っている10階建てのビルだった。そのあたりは現在でも空き地が目立つ程の地域で、戦後すぐの頃は、国際マーケットという名の闇市があったところで、土地を不法占拠する者があとをたたなかった。 このあたりを神戸市は再開

    書店革命に挑む不思議な魅力の人(その5):日経ビジネスオンライン
  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その4):日経ビジネスオンライン

    神戸三宮に、343坪の大型書店「ジュンク堂」が開店したのは、1976年の12月24日だった。賃借契約をしたのが7月、工藤恭孝さんが、「キクヤ図書販売」から独立した形になって、株式会社として出発したのが9月。それから6人の社員を集め、模索しつつ、ようやく開店までこぎつけたのである。 「でも、誰も屋の経験がないものだから、まったく雲をつかむような話でした。なんせ、棚ってどこでつくるの、という低レベルのところから始めたんですから」 社長みずから、当時のことを、あきれかえった顔で述懐するのである。 棚は、業界の問屋さんが連れてきた棚屋に頼んだ。すべておまかせだったが、平面図がない、といわれて、またあわてた。 社員のひとりに、1級建築士の資格を持つ者がいたが、彼にしても屋の平面図など扱ったことがない。助けを呼んでようやく平面図らしきものをつくったが、今思うと、単なる思いつきで書いたものだった。

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  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その3):日経ビジネスオンライン

    父親に、半ば命令、半ば助けられる形で「キクヤ図書販売」に入社した工藤恭孝さんだったが、働きだしてすぐに、会社の先行きが決して明るいものではないことに気がついた。 仕事は版元から卸された雑誌、書籍類の梱包をといて、軽自動車に乗せて兵庫県内の書店に配達する、というのが主なものだった。 その相手先の屋は、薬局や駄菓子屋を兼ねている兼業小売り店で、ほとんどが中高年の夫婦だけで商いをしていた。 そこへ月末に集金にいくと、 「息子はあとを継ぐ気はないようだし、そうなると、いずれ、この店はたたむことになるねえ」 と、店主が溜息混じりにつぶやく。都会に出た息子にしてみれば、こんなところでは、っていけへん、と見限っているのである。 書籍の卸問屋をしているキクヤ図書販売にしても、音は小さな兼業書店を相手にするのではなく、100坪程度の大きな書店と取引をしたいのである。だが、そういう大書店や紀伊国屋などの

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  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その2):日経ビジネスオンライン

    「父とは仲がよくなかった。遊んでもらった記憶もない」という工藤恭孝さんだが、大学を卒業後は、父の会社に入っている。必然的に父の背中を眺めて育ち、その後の商売ぶりも、父の影響を受けているはずである。 父の工藤淳さんは、1923(大正12)年の生まれで、映画製作会社を倒産させてしまった後は、神戸に“都落ち”して10坪ほどの書店を経営する。33歳のときだった。 しかし、小売り書店の経営は儲からないようにできている、と判断すると、今度は「キクヤ図書販売」というの卸問屋を始める。 小売りの書店が儲からないのは、取次店が利益を吸収する構造になっているからだ、と恭孝さんは、父からさんざん聞かされていた。 その意味するところを理解するのは、自分が屋を始めるようになってからだった。だが父は違った。早くから、版元、取次、小売り書店と流れる構造の急所が、喉元の取次にあり、その狭まったところを通さない限り、出

    書店革命に挑む不思議な魅力の人(その2):日経ビジネスオンライン
  • 書店革命に挑む不思議な魅力の人(その1):日経ビジネスオンライン

    ジュンク堂書店は、全国に27の書店を持っている。日比谷プレスセンター内にある書店だけ、例外的に小規模だが、ほかの店は、床面積が300坪を超す大型店である。池袋店などは、その最たるもので、地下1階、地上9階、床面積は2000坪で、そのビルが丸ごと屋さんである。 全国に2万店あるといわれている書店だが、そのほとんどは坪数が30坪程度の店で、経営は厳しく、毎年、1000店舗は店を畳んでいるといわれている。物書きを生業としているものにとっては、心寂しい限りだが、その中で躍進を続けているジュンク堂の奮闘ぶりは、頼もしい限りである。魂を込めて、声援を送りたい。 その書店を率いている工藤さんは、昭和25年生まれの57歳。不思議な魅力を持った方である。 大胆であるが細心な神経を持ち、無頓着そうだが、物事の背後に潜む質を、冷徹な眼差しで見つめている。一見、腰は低いが、信念を曲げることはない。その魅力の中

    書店革命に挑む不思議な魅力の人(その1):日経ビジネスオンライン
    hiroyukixhp
    hiroyukixhp 2016/07/05
    #etv #知恵泉
  • 社長の仕事は「いい話」を断ること:日経ビジネスオンライン

    世界で初めてミドリムシの屋外大量培養に成功したバイオベンチャー、ユーグレナの社長、出雲充氏は自分を「リーダーに向かない人間だ」と言う。日々の事業は創業時から苦労をともにしてきた担当役員に任せ、重要なものを除いては社内の会議や打ち合わせにもほとんど顔を出さない。「2020年の東京オリンピック開催時に、ミドリムシの燃料で飛ぶジェット機で海外からの客を迎える」という夢に向けて邁進する出雲氏ならではのリーダーシップとは? ご著書『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました』(ダイヤモンド社)を読み直して改めて感じたことがあります。出雲社長はずっと「自分はリーダーに向かない人間だ」とおっしゃっています。また、にもそう書かれています。とはいえ、誰もが夢物語だと思っていたことを着実に実現し会社を軌道に乗せているのは、出雲社長がイメージするリーダーシップとは違うとしても、何かをお持ちだからだと思うのです

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