カルテットを最後まで見て、このドラマは一体何を書こうとしていたのだろうと、かなり考えた。もちろん、いろんな角度から見ることはできるだろうが、近年の恋愛ものを巡る論争を思い出した。 近年、「女性は恋愛要素がないとドラマや映画を観ない」という思い込みから、恋愛を主軸にしていない作品にも恋愛要素が無理やり入れられたり、恋愛要素で気をひこうとしたりすることが見られる作品は多かった。皆、恋愛が憎いのではない。ダサピンクといって、女性はピンクが好きだろうと、安易にピンクの商品を開発するのと同じで、安易に恋愛要素を入れればいいのだろうと、作り手が消費者を見ていないことに反応しているのだ。 『カルテット』は、恋愛要素も出てきたが、恋愛ものではなかった。それどころか、恋愛が一番大事であり、社会を構成する基本ではないという視線が感じられた。それは「唐揚げ」のシーンでわかる。 カルテットドーナツホールのメンバー
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