1970年代、アメリカ人は日本人を見ると「HONDA!!」と嬉しそうに話しかけ、日本人はビートルを見かけると、「ボロクソワーゲン!(笑)」と嬉しそうに声を上げた。フォルクスワーゲンの空耳アワーで、ボロクソワーゲンと言っていたのか、はたまたビートルの冷房が効かないことを揶揄していたのか。どちらが正しいかは、定かではない。 といっても、これらはアメリカ南部アラバマ州での出来事。当時、小学生だった私には、HONDA とVolks Wagen(VW)の記憶は、こんな奇妙な形で刻まれ、私が初めて覚えたクルマのメーカーも、この二つだったのである。 そんな記憶の箱が、いや〜な形でこじ開けられた。「ハンドルを握っているときは負ける気がしない(「何に?」とは絶対に突っ込まないでください)」オトナになった“アラバマ娘”にとって、昨今の騒ぎほど残念なものはない。 HONDAのフィットは、発売以来リコール続き。ヴ
暑い日々が続きます。読者の皆さん、体調など崩されていないでしょうか。今回の対話は体調管理についてです。 ○部下:「本当に暑いですね……熱帯夜が続きます」 ●営業課長:「今年は涼しい夏になると思っていたが正直なところキツいな」 ○部下:「キツいなんてものじゃないです。だるくて仕方ありません」 ●営業課長:「ちゃんと寝ているのか」 ○部下:「それが駄目です。昨夜は飲み会で2次会まで付き合ったら、帰宅が12時過ぎになってしまいまして。妻がクーラー嫌いなので扇風機をつけて寝ましたが夜中の2時まで眠れませんでした。汗が気になって5時に起きてしまったので、なんだか頭がクラクラします」 ●営業課長:「おいおい大丈夫か。ところで昨日の朝、君に頼んだ市場分析のまとめはどうなった。それができないとプロジェクトが先に進まない」 ○部下:「あ、すみません。今日、何とかやります。飲み会へ行ってる場合じゃありませんで
佐世保市の県立高校1年生が殺害され、同級生の少女が殺人容疑で逮捕された事件は、日々拡大しつつある。 第一報が届いた時点では曖昧模糊としていた犯行の詳細が、翌日になってから、少しずつ明らかになる。続き物のドラマみたいな展開だ。 あわせて、容疑者の少女に関する周辺情報が、様々な方向から漏れ出してくる。 画面のこちら側から見ていると、まるで、犯罪ドラマの演出に精通した人間が、事件に関する情報の出し入れを、クライマックスに向けてコントロールしているようにさえ思える。 それほど、小出しにされてくる情報のいちいちが扇情的にデザインされている。 そんなわけで、事件が起きて以来のこの数日、報道の量は、むしろ増加している。 特に地上波テレビの情報番組は、スタジオごと佐世保に移転したみたいな勢いで、関係者のプライバシーを掘り起こしにかかっている。 スタジオで画面に登場する人たちは、異口同音に 「衝撃を受けた」
今年の成人の日は、所用があって、自転車で都内を走り回っていた。 サドルの上から街場の風景を眺めてみるに、成人式に振り袖を着る女子の数は、明らかに増加している。 理由のひとつは、振り袖の値段がリーズナブルになったかららしい。 たしかに、私が新成人だった当時は、和装一式の値段は数十万円が相場だった。 レンタルでさえ、着付けとコミで数万円は下らなかったはずだ。 それがいまは、50万円を超える値段のブツは、むしろ少数派になっているのだそうで、なるほど、そういう意味では、うちの国の経済と文化は、少しずつでも健全化しつつあるということのかもしれない。 そんなことより、前々から私が不思議に思っているのは、成人式に集まる新成人の出席率が、年々高まっているように見えることだ。 聞くところによると、記念品の贈呈が廃止され、式典に費やす予算を節約する自治体が増えているにもかかわらず、成人式への出席率は、平成に入
前回に続いて今回も取り上げるのは―― リタ・マグレイス 「知的失敗」の戦略 (ハーバードビジネスレビュー2011年4月号、邦訳ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー、2011年7月号) ポール・シューメーカー&ロバート・ガンサー 「意図した失敗」のすすめ (ハーバードビジネスレビュー2006年6月号、邦訳ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー、2007年4月号) 「知的失敗」よりさらに進んで「意図した失敗のすすめ」を説くのがシューメーカーとガンサーです。ただ、前回のリタの「知的失敗」のところでもそうですが1つ注意しておかなくてはならない点があります。「失敗が許される領域と、許されない領域を決めておく」ことです。例えば、UPS(米国のヤマト運輸と思ってください)の場合「失敗しても、顧客には絶対に影響が及ばないようにする」ことがこの境界線になっているといわれます。 さて、それでは、なぜわざわざ
清野 由美 ジャーナリスト 1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。 この著者の記事を見る
福井 福太郎 東京宝商会顧問 1912年(明治45年)5月19日生まれ。100歳を超えても、約1時間の電車通勤をしながら会社に通う現役サラリーマン。70歳から現在まで東京宝商会に勤務。 この著者の記事を見る 広野 彩子 日本経済新聞社NAR編集部次長 朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。 この著者の記事を見る
早速ですが、『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』(講談社α新書)。いやーまいったな、と思いました。最初は単純な専業主婦攻撃の本かと思いましたが、読んでみるとそうじゃない。日本社会にたくさん存在する、あるタイプの夫婦・親子関係が、現代社会の様々な病理を生み出しているという指摘ですね。 読んでいて、笑いと恐怖が交互にこみ上げてきたんですが、たぶん女性よりは男性、それもいわゆる「高スペック」男性にとっては、恐ろしい本でしょうね。 深尾:ある男性は、読んでいてお腹を下してしまったそうです。ちょうど「ママ友地獄」について書いてある章だったらしいですが。 タガメ女:田んぼに生息してカエルを捕獲するタガメのごとく、収入や社会的地位のある男性を捕獲し、「幸せな家庭」というタガにがっちりとはめて自由を奪い、リソースを吸い尽くす女性。夫だけではなく子供、ママ友など周囲の人間関係をもタガによって呪縛する。搾取
花伝書は最強のビジネス書であると題して、前回は主に社員教育についてお話ししました。キャリアをどう重ねていって、真の花を身につけるか。ビジネスマンの成長プロセスです。 花伝書の本丸の教え 今回は、そのコンテンツ。花伝書の本丸とでもいうべき技の教えです。ビジネス風に言えば、スキルとメンタル。発想、企画、プレゼン、リーダーシップというところでしょうか。 前回の「600年前に書かれた企業秘密『花伝書』を読む」からもお分かりのように、能においては、花を悟ることが無上第一。超一流になるための秘技がちりばめられています。その技を習得することで、花を咲かせることも散らすことも思いのままになることを目指す。これこそが、ゴール。その時その時、その場その場で自由自在、変幻自在の技と心を身につけるのです。 そのために型をしっかりと身に染み込ませて、その上で型を破っていく。型を身につけないと型無しになってしまいます
チームプレーは日本の「お家芸」とよく言われる。一人ひとりの力は小さくても、チームとして各自の役割を決め、知恵を出し合い、励まし合って取り組めば、不可能を可能にすることもできる。それこそ組織の力だ。 「日経ビジネス」は10月22日号で「奇跡を起こす すごい組織100」と題した特集をまとめ、企業や団体から復興支援やスポーツ、先端科学研究のチームまで、成果を上げているすごい組織を100事例取り上げた。この特集と連動して、「日経ビジネスオンライン」では5回にわたり、一般にはあまり知られていないすごい組織の実像を紹介する。 3回目は今や全国的な人気を誇る、ゆるキャラ「くまモン」とともに熊本県のPR活動を展開している熊本県くまもとブランド推進課を取り上げる。 「公務員」と言うと、どんなイメージをお持ちだろうか。安定志向が強く、リスクを取ることを好まない。調整重視でスピード感に欠ける。終業時刻になればい
物事に大きな影響を与える前提なのに案外知られていない。その一つがコンピュータソフトウエア投資とソフト開発技術者の所属先に関する日米の差である。 日本企業は自社で利用するソフトのほとんどをIT(情報技術)企業に開発させているのに対し、米国企業はソフトを内製する比率が高い。 日本のソフト開発技術者の大半はIT企業に所属するが、米国のソフト開発技術者の大半はIT企業ではなく一般企業に所属している。 上記二つの文は同じことを言っている。日本企業は社内にソフト開発技術者をあまり抱えていないためIT企業に外注するが、米国企業は社内にソフト開発技術者がおり内製できる。 「ほとんど」「高い」「大半」では曖昧なので数字を補足する。米国商務省経済分析局の数字によると、2010年の米国民間企業におけるソフトウエア投資の内訳は、内製(自社開発)が37.3%、外注(他社委託)が34.2%、パッケージソフト購入が28
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 2012年3月末、アイドルグループのAKB48がワシントンを訪れた。今年は日米友好の証として桜の苗木が日本からワシントンに贈られてから100周年に当たる。それを記念して、AKBが「全米桜祭り」でコンサートを開くことになったのだ。 米国のメディアにはほとんど取り上げられなかったが、唯一、地元でのイベントとあって有力紙のワシントン・ポストが文化面の1面に“J-pop royalty”(J-pop界の王族)と題した記事を載せた。電子版では同じ記事に次のような見出しを付けている。 “Japanese girl group AKB48 breezes through D.C. in whirlwind of cuteness” (「日本の少女グループA
―― ブランド・ジャパン2012で、ダイソーが初めて10傑入りしました。今回、9位です。 矢野:ブランドっちゅうとあれじゃろ、モカとか、キリマンジャロとか… ―― それはブレンド。とにかく、この順位急上昇は驚きです。確かに、ウェブサイトもすっきりと明るく刷新し、新しいお店はパステル調中心で、以前とはかなり変わりました。丸の内ブランドフォーラムの片平秀貴代表は、ウェブサイトを見て「社員に自由に仕事をさせている雰囲気が伝わってくる」とおっしゃっていました。 矢野:確かにそれはあるでしょうね。私自身は最近、本当に劣化が激しくて。取材でもあまり話さんようにしているんですよ。昔はそれなりの自信というか、強さがありましたが、最近はあまり自信がなくなった。 ―― 日課にしていた朝の商品の搬出作業は、まだ続けていらっしゃるのでしょうか。 矢野:実はつい最近まで、人材派遣会社に外注していたのですが、3月から
「焼肉ダイエット」。この言葉を聞いてどう思われますか。そう、「焼肉を食べてダイエットをしよう」という意味です。 疑問が次々に出てくるのではないでしょうか。まず、それはいったいどんなものなのか。どこかで提供されているのだろうか。焼肉を食べて本当にダイエットができるのか。そもそも、だれが、なぜそんなものを考案したのか。 私も全く同じ疑問を持ちました。焼肉ダイエットに出会ったきっかけは、ある人から入った「面白い店が京都にありますよ」という連絡でした。焼肉店が“見どころ”を作るために参考になる例はないだろうかと思っていたら、その人が教えてくれたのです。 逆風下にある焼肉店が復活するには、店舗ごとに見どころがあるとよい、という話を前回書きました。焼肉をみんなで盛り上げようという趣旨で本連載を書き、読者の皆様のご意見やアイデアをソーシャルメディア経由でいただいています。皆さんのアイデアをいただきつつ、
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