初回放送後、すでに4週間経ち、まさにいまさら何をかいわんやだが、今年の大河ドラマは『どうする家康』である。 本務校の静岡大学静岡キャンパスは、家康が人質時代を過ごし、天正年間に武田遺領を領有して城を築き、さらに大御所時代(慶長年間)に江戸城をもしのぐ巨城を天下普請で構えたまちにある。 大河ドラマは、観光客動員では、アニメ作品の「聖地巡礼」をも上回る影響力をもつことがある。 1987年の『独眼竜政宗』以降、作品の舞台となるまちでは、大河ドラマ館がつくられ、いわば「大河ドラマツーリズム」の拠点の一つとなってきた。 毎年の大河ドラマ放送にあわせて、ゆかりの地にもたらされる経済効果が報道されるのも、恒例である。 『どうする家康』では、愛知県岡崎市が「家康公生誕の地」、浜松市が「徳川家康公ゆかりの地 出世の街」、そして静岡市は「家康公が愛したまち」ということで、それぞれ大河ドラマ館を設けてしのぎを削