平日はテレビなんてみないんだけど、久々にダラダラ見ているとTBSで『官僚たちの夏』の宣伝がすごいのね。僕は城山三郎が大好きで『官僚たちの夏』も素晴らしい作品だ。しかし、この時期に肝煎りでドラマ化することに対しては強い政治的意図を感じる。 本書の描く産業政策への官僚たちの情熱と効果への期待は、バブル崩壊の頃まで通説として広く人口に膾炙した。サブプライム危機以降の経済状況で、緊急の財政出動を行うに当たっても、例えばグリーン・ニューディールのように産業政策的なアプローチが世界的にも復権しつつあるかにみえる。 近々総選挙があって、恐らく官僚と政治との関係の在り方は重要な争点となるのだろう。つい先日も空前の規模で補正予算が組まれ、難視聴対策やら貧困層向けの受信機配布、エコポイントによるテレビ買い換え促進やらで放送業界に対して大規模な補助が出ている。これらの政策への賛否を議論する気はないが、この時期に