【ワシントン及川正也】AP通信など米メディアによると、ケネディ、ジョンソン米政権でベトナム戦争を指揮したロバート・マクナマラ元米国防長官が6日、死去した。93歳だった。死因は分かっていない。 1916年、サンフランシスコ生まれ。61年、米自動車大手フォード・モーター社長からケネディ政権の国防長官に転身。ケネディ政権下で本格化したベトナム戦争で軍事介入を拡大し、ジョンソン政権でも米軍の大規模展開を推進したが、泥沼化。67年に辞任した。 旧ソ連と核戦争の瀬戸際までいったキューバ危機(62年10月)では、戦争回避に全力を挙げる一方、核戦略では大陸間弾道弾(ICBM)などの配備を進めて旧ソ連に対抗し、米国の核抑止政策「相互確証破壊」を確立した。 退任後は世界銀行総裁などを務めた。 95年にベトナム戦争の過ちを認める回顧録を出版。03年のドキュメンタリー映画「フォッグ・オブ・ウォー」に出演し、広島へ