話を本題に戻す前に、回り道をして論じておきたい問題がもう一つだけ残っている。 それは「青年期にBPDの症状がみられた場合に、それをどのように捉えるか」という問題である。 ここでいう青年期とは、思春期の発現から成熟にいたるまでの、身体的ならびに心理的発達が生じる時期をさし、具体的には男性では13歳頃から、女性では11歳頃から早期成人期に至るまでの期間をさしている。 アメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-4-TRでは、充分な臨床的評価がなされること、症状の持続期間が少なくとも1年以上であることを条件として、18歳以下の患者に対してパーソナリティー障害という診断をつけるのを一応認めてはいる。 「一応」という断りを入れたのは、この基準をどのような場合に青年期の患者に当てはめて良いかについては依然として曖昧であり、多くを臨床家の判断に委ねていたためである。 実情はどうであったか。 青年期はパーソ
岩崎学術出版社 岩崎学術出版社のホームページ。東京都文京区。精神分析、精神療法、心理療法、精神医学、臨床心理学など関連諸分野書籍の出版・発行。新刊情報、図書目録、常備店一覧等 ●ハムステッドにおける研究【上・下】 アンナ・フロイト著作集・7/8 フロイト A. 著 牧田清志・阪本良男・児玉憲典 訳 判型: A5 頁数: 264; 292 価格: 各5,040円(税込) ISBN(旧): 【4-7533-8306-7; 4-7533-8309-1】 ISBN(新): 【9784753383061; 9784753383092】 刊行年: 1983-10-14; 1983-11-01 上巻目次● Ⅰ部 ハムステッド児童治療者養成コースおよびクリニック 幼児期の病理状態の評価 精神分析と家族法 他 Ⅱ部 子供の観察と発達の予測 青年期 ボウルビィの研究についての検討 親
1.二度目のボストン 成田空港からシカゴ経由でボストンへ.シカゴでちょっとしたトラブル(これを書いたら紙面におさまりきらないので残念だが割愛する)に見舞われたが,それもよい旅の思い出となった.筆者にとっては,2度目のボストンであった.一度目は,2003年に行動療法促進学会(AABT)に参加したときである.ハーバード大学,マサチューセッツ工科大学,ボストン美術館と学問の雰囲気漂うボストンにはいい印象を持っていた. 2.マインドフルネスと神経生物学的研究 筆者は,今回のWCBCTは,いわゆる第三世代の認知行動療法の中核的要素であるマインドフルネスが,世界の潮流の中にどのように取り入れられているのかを知りたいと思っていた.また,脳科学や認知情報処理による認知行動療法の効果のメカニズムがどの程度明らかにされているのかに興味を持っていた. 学会に先立って行われたワークショップでは,第三世代の
The goal of this study is to examine the effectiveness the selective serotonin reuptake inhibitor (SSRI) escitalopram (also known by the trade name "Lexapro") in reducing desire to self-harm and actual self-harming among young adults with borderline personality disorder who are also currently depressed. Subjects will receive either escitalopram or placebo for eight weeks. During this time subjects
こないだ星和書店という精神医学・臨床心理系の出版社の主催する、ランディ・クリーガーという人のワークショップに行ってきました。2009年にこのワークショップの内容を書籍化するそうです。 彼女は「境界性人格障害=BPD」はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ の著者の1人で、作家でもあり、BPDのメーリングリストを主催しています。彼女のBPDCentralというサイトをご紹介しておきます。彼女の笑顔も見ることができます。 http://www.bpdcentral.com/index.php このワークショップは、家族、パートナー、友達、親戚にBPDの人がいる方および、BPDの援助者が対象で、BPD本人のためのワークショップではありません。 午前中がBPDに現在有効とされているアプローチの話、午後がクリーガー氏が来年出版する書籍にある「5つのパワーツール」の話とクリーガー氏の通訳をされ
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