原田先生と内海先生、だいたい同世代なんだね。同じ東大出身の精神科医でも分院で精神病理を極めた内海先生と、本院で宮内先生からスーパーヴィジョンを受け、神田橋先生に巡りあう原田先生とはほんと対照的な道を歩んでますね。 「うつ病」とタイトルにはついてますが、「うつ病新時代」どうよう双極性Ⅱ型に関してもかなりページが割かれています。うつ病の心理―失われた悲しみの場に内海 健 誠信書房 2008-06 売り上げランキング : 35085 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 パンセ・スキゾフレニック―統合失調症の精神病理学― スキゾフレニア論考―病理と回復へのまなざし 臨床瑣談 精神科症例報告の上手な書きかた うつ病新時代―双極2型障害という病 (精神科医からのメッセージ)
僕自身、うつ病相がひどいときに学会発表が重なってしまい、「負けてたまるか」という気持ちで乗り切ったことがあります。通院する、薬を飲むといったことを遂行するためには重い身体を引きずってでも、という気概が必要です。患者自身に関して言えば、それがなくなったら、病との戦闘能力さえなくしてしまいますよね。 ただ、医師はともかくとして、うつがどれほど辛いか分からない普通の人が「頑張れ」と言うのは、何を患者が消化できるか分かっていないという意味において、やっぱりまずいのだろうと思います。つまり激励禁忌の概念は、行き渡って欲しいところに行き渡らず、不要なところで変に浸透しているということは言えるでしょうね。 ところで、個人的な話になりますが、躁もうつもうまく押さえ込んで快調、と思っていたら、睡眠障害に足をすくわれました。「出講状況が安定しない人間をこのまま教壇に立たせるのは対外的に持たない。治療に専念して
「こころの科学 131 特別企画・双極性障害」 ****** 「双極性障害」とは、躁うつ病のことをさします。 躁状態は、簡単に述べると元気が良すぎて、行動力が活発すぎて、明るい状態です。睡眠を十分にとらなくても、遊びに仕事にバリバリと行動します。それに対してうつ状態は、気分が落ち込み、何をやっても楽しくない状態が継続して続くことです。 躁うつ病は、その二つの状態が交互にやってくる精神疾患です。 近年、うつ病には社会における認知度と理解が深まり、「怠けている」状態ではないことが知られて来ました。年間三万人を越える自殺者の中には、かなりの割合でうつ病患者が潜在していると言われています。気分が落ち込むだけではなく、頭痛や肩こり、だるいなどの身体の不調が症状として現れる「仮面うつ病」というのもあります。これは、本人がうつ病と自覚しにくい状況になりがちです。 作家や芸術家にも双極性障害を持っていた人
SSRIの問題で、日本では思春期うつ治療大混乱( 相も変わらず薬物追放運動をする連中:参考pdf )があるようだ。 国際的なスタンダードで治療されていない日本のうつ治療だが、米国ではSSRI不応性うつ治療をどうしようかという論文が掲載された。 SSRI、心理治療、両治療併用が思春期うつの急性マネージメントとして用いられる。しかし、これらの治療に40%が反応しない。エビデンスに基づくガイダンスもない。 Brentらは、SSRI初期2ヶ月治療で反応せず、認知行動療法(CBT)を受けてない、うつ思春期患者(12-18歳)に対する以下の4つに割り当て、12週間臨床トライアルを行った。 (1) a second, different SSRI (2) a different SSRI and CBT (3) venlafaxine (a selective serotonin and noradre
思春期抑うつ症 薬剤治療と認知行動療法併用は有用 〔米ノースカロライナ州ダーラム〕 10代の大うつ病性障害患者に対しては,抗うつ薬治療と認知行動療法(CBT)の併用が最も有効なアプローチであることが,デューク大学医療センター(ダーラム)精神医学による長期臨床試験(Treatment for Adolescents with Depression Study; TADS)から明らかにされた。この結果はArchives of General Psychiatry(2007; 64: 1132-1143)に発表された。 36週間後の併用治療奏効率86% TADSは12〜17歳の一次診断で大うつ病性障害と診断された患児327例を対象に,抗うつ薬fluoxetine(Prozac®)とCBTの単独または併用の有効性を比較検討した多施設ランダム化臨床試験である。試験開始12週間後では全群でうつ病が減少
たとえば、テロや市街地戦闘などの後のPTSDへの有効性の報告( BMJ 2007;334:1147 (2 June) )もあり、災害や事件などが起きれば、すわっ・・・カウンセリングの出番ということになるようだ。 だが、この心理カウンセリングとやらはほんとに効果があるのだろうか?心理療法などは現在、認知行動療法が主体だが、この傾聴のみでほんとによいのだろうか?CBTとなりえていない、心理療法で、はたして、どこまで、その効果があるのか・・・非常に疑問視するのだが・・・世の中はなにやら心理療法を超人的・超現実的な効果があるかのように考えられているようである。・・・カリスマなんたらとか、スピリチュアルななんたらと変わらんじゃん・・・ 地震などは不安とうつの感情入り乱れ、個々人・時相により、その心理的機制が異なると考えるのが普通と思う。はたして、ゲートウェイとして心理学専門家が対応できる資質を有して
もうずっと以前、SSRIが出る前の話。あるとき、それまで女医さんが診ていた患者さんたちをすべて受け持たないといけないことになった。特に「うつ状態」の患者さんを診て思ったこと。 ①すべての患者さんの抗うつ剤の量が少ない。 ②たいていの患者さんが、うつ状態を引きずっており、軽快している人が少ない。 ③主治医に依存している。 ①に関しては、ルジオミールの処方が多く、たいてい30~60mgくらいだった。これで良くなっているなら良いけど、全然良くなっていなくて、皆疲れている感じだった。③については、特に強く感じた。「先生、助けて・・」というエネルギーみたいなものが診察中すごく感じられて、こちらも診察のたびに疲れてしまうというか、かなりエネルギーを使った。もう少しなんとかならないものかと思った。 当時ルジオミールは信頼できる抗うつ剤の1つだったので、こういう人たちにはぜひ150mgまで頑張ってほしかっ
SSRIと自殺との関係が某新聞社を中心に議論を引き起こそうとしているようだ・・・(特定の背後関係のにおいがするが)。心理療法にせよ、薬物療法にせよ、うつ→正常化 というmoodの変容そのものが、自殺企図へ影響を及ぼす可能性がある・・・と考えるのだが・・・と再度書き込み! さて、SSRI処方による自殺増加への反論?・・・これもこれでちょっとあやしいのだが(対照が心理療法という・・・) 自殺頻度パターンは治療の種類に関係ない・・・ということで、治療薬そのものの作用でなく、うつに対する介入行為そのものにより思考や行動変容を生じてしまう結果? Suicide Attempts Among Patients Starting Depression Treatment With Medications or Psychotherapy Am J Psychiatry 164:1029-1034, Ju
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く