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10月14日(日)日経新聞10面 Sunday Nikkei α より ブログをするきっかけにもなった物忘れ、ボケに興味ある記事なので全文を紹介いたします。 認知症予防まず食から ウコン・青魚など注目 認知症と食習慣が関係していることが最近明らかになり、アルツハイマー病などにならない予防栄養学への関心が高まっている。高齢化で認知症患者は2025年に国内で300万人を突破すると予想される。予防はまず食からーー。 研究の最前線に迫った。 エリンギなどのキノコに赤や黄色のパプリカ、紫玉ネギなど5色の色鮮やかな野菜を盛りつけ、ウコンドレッシングをかけるとできあがり。 長野県飯山市で開かれたアンチエイジング料理教室でのひとこま。同教室を指導する順天堂大学の白澤卓二教授は「ウコンとオリーブオイルに含まれる物質には認知症を防ぐ効果があると期待されています」と予防食のポイントを開設する。 認知症を予防する
■British Journal of Nutrition イギリスの研究団体IFR(Institute of Food Reserch)は、食品基準庁(FSA)が、若い女性の葉酸摂取のために、小麦粉に葉酸を添加することを国が義務づけようとしていることに対して、その安全性が確立されていないとの警告を発し、最終決定の前に専門家による再検討を求めました。これに対して、FSAは小麦粉やパンへの葉酸の添加の安全性については、既に査定済みで、安全であるとしています。 そもそも、なぜ、小麦粉やパンに葉酸の添加を義務づけようとしているのでしょうか。それは、妊娠前の女性が葉酸を1日400μg以上摂取することで、胎児の脊椎二分症等の先天性異常の発症が大幅に減らすことできることがわかっているにもかかわらず、若い女性の葉酸摂取がなかなか進まないという事情があったからです。また、葉酸添加の義務化を先行して実施して
生活習慣と疾患との関連は古くはヒポクラテスが指摘したことです。ヒポクラテスはすべての疾患の原因は体液の不均衡にあると推定し、この是正には生活習慣や環境を変えることが重要と考えました。具体的には、入浴や汗をかくこと、散歩やマッサージを推奨しました。精神疾患がすべて体液の不均衡によるとは考えにくいのですが、今日「癒し」をキーワードに温泉やアロマセラピー、マッサージ、サプリメントの摂取など、いろいろなものが商業ベースに乗ってきていることは確かです。もっともらしい(素人が納得しやすい)コマーシャルで、エビデンス(科学的証拠)の乏しい手段が喧伝されるのを見聞きするにつけ、落ち着かない気持ちになるのは私だけでしょうか?科学的な検討の後に、エビデンスのはっきりしたものが生き残り、そうでないものが捨て去られるべきと考えるのは私だけではないでしょう。 ところで、精神疾患の成因として遺伝と環境の関与は広く認
太陽に当たることで作られるビタミンDは骨の代謝に重要だということは古くから知られていましたが、ビタミンDが不足すると呼吸器系の疾患にかかりやすくなることを示す論文が発表されました。 Association Between Serum 25-Hydroxyvitamin D Level and Upper Respiratory Tract Infection in the Third National Health and Nutrition Examination Survey 全国調査で明らかになった血清中のヒドロキシ・ビタミンDと上気道の感染症の関係 ARCH INTERN MED/VOL 169 (NO. 4), FEB 23, 2009 (pdf) 解説記事は、SciAm.com の 60-Second Science Blog の Vitamin D deficiency li
学生のころからつい最近まで、僕は生きるというのは基本的につらいことだと思っていた。ところが、そのつらさの大部分が簡単に消えてしまったのでこんなこともあるんだという意味で伝えてみたい。長いので興味があったら読んでください。 中学生のころから、いつも体のだるさを感じていた。お腹も弱く、何かあると下痢してばかり。当然元気なんかあるわけなく、高校生のころもあんまり前向きな人間ではなかった。でも頑張ればなんとかなると思える若さもあり、インスタントコーヒーに砂糖をぶちまけて勉強をしたら大学には合格した。大学では典型的な怠惰な学生で、起きるのはデフォルトで午後、授業には半分も出ていないと思う。無気力で今にして思うと鬱状態だった。 何とか卒業してIT系に就職したが、そこでの仕事の仕方も追いたてられてやっているような感じで、いつも綱渡りをしているような気分で全く余裕はなかった。それでも20代のうちはなんとか
辰野/浦口の論理にいささかおかしいところがあったとしても、大正時代に衝心脚気が消失したことについて何らかの説明が必要だとお考えの方のいるかもしれない。辰野*1は「(”衝心性脚気”は)明治末期から大正の初めにかけての年代に無くなってしまった」と書き、浦口*2は"Shoshin-kakke disappeared from the country almost completely after 1929."と書いた。大正時代に日本の脚気による死亡者数は減っていないことは■米の検定は脚気死亡数に影響せずで示したが、「米の検定によってカビ毒による衝心脚気は減ったが、全脚気死亡者数はビタミン欠乏による通常の脚気が大半を占めるため、統計値として表れない」という可能性はあるのだろうか? 東京大学における衝心脚気の病理解剖数の減少*3 辰野/浦口の主張の根拠は、東京大学病院で死亡した患者の病理解剖の記録で
明治時代の医学に関心があるものにとって、北里柴三郎と東京帝国大学の対立は常識であり、興味を引くトピックであることは間違いないだろう。たとえば、Wikipediaにも、以下のようにある。 ドイツ滞在中、脚気の原因を細菌とする東大教授・緒方正規の説に対し脚気菌ではないと批判を呈した為、恩知らずとして母校東大医学部と対立する形となってしまい帰国後も日本での活躍が限られてしまった。この事態を聞き及んだ福澤諭吉の援助により私立伝染病研究所が設立されることとなり、柴三郎は初代所長となった。その後、国に寄付され内務省管轄の国立伝染病研究所(現在の東大医科学研究所)となり伝染病予防と細菌学に取り組む。1894年(明治27年)にはペストの蔓延していた香港に政府より派遣され、病原菌であるペスト菌を発見するという業績をあげた。 かねがね伝染病研究は衛生行政と表裏一体であるべきとの信念のもと内務省所管ということで
鴎外 森林太郎と脚気紛争 作者: 山下政三出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2008/11/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (5件) を見る 脚気論争に踏み込んだあまり、このような本まで購入する羽目になってしまった。とほほほほ。信じてくれないかもしれないけど、先のエントリーを書くまで、森鴎外に興味なかったのに。 きちんとした書評は後で書くかも知れないけど、今日は、本を読んだ直後の第一印象を書き進めようと思う この本のキモは、森鴎外を脚気撲滅の功労者として、再評価していることにある。ネタバレになるかも知れないが、本書の末尾は、以下のような言葉で結ばれている。 暗黒のなかで、高木兼寛は兵食を改革し海軍の脚気を撲滅する、というビタミンの先覚的な業績をあげた。森林太郎は臨時脚気病調査会を創設し脚気研究とビタミン研究の基礎をつくり、日本の脚気絶滅への
どんどんブクマ数が減っていくが、ついて来れない奴は置いていく!さて、■衝心脚気の原因はカビ毒か?で紹介した辰野/浦口の主張について、まず目に付く問題点は、通常の脚気と衝心脚気の混同である。医学的な定説に立てば、両者は病因を同じくする連続した疾患であるのだが、辰野/浦口によれば、「通常の脚気の原因はビタミン欠乏、衝心脚気の原因はカビ毒」であるので、両者を明確に区別しないとおかしい。衝心脚気の病理解剖数が米の公の検定により減っていったことを示すグラフに「一時的に1916年に脚気が増加したことにより1916年〜1918年の期間に高い平均値を与えた」とあるが、「ビタミン欠乏による脚気」が増加したからって「カビ毒による衝心脚気」が増加するのはおかしい。混同は他の場所にも見られる。「大正の初めのころには、日本で脚気で死亡する人はほとんどいなくなってしまったのです」「ビタミンBによって日本の脚気が克服さ
クリスマスおめでとう!さっそく脚気の話をするよ。脚気がカビ毒(マイコトキシン)に関係するとする説もいろいろであり、「カビ毒は衝心脚気様症状を起こす」という脚気とビタミン欠乏の関係を否定しないものから、「脚気の原因はビタミンB1欠乏ではなくカビ毒である」とするトンデモ説まで幅がある。ここでは、辰野高司著「カビがつくる毒 日本をマイコトキシンの害から守った人々」東京化学同人発行(1998年)、から引用する。東京化学同人発行という比較的信頼できる組織から発行され、手に入りやすい日本語の文献であり、著者の辰野が浦口健二(脚気がカビ毒に関係するという説の提唱者)の直系の弟子であるからだ。 辰野/浦口の主張は、要約すると、「ビタミン欠乏による脚気の存在も否定しないものの、衝心脚気はカビ毒が原因であり、明治の終わりから大正の初めにかけて衝心脚気が日本から消失したのは、公の米の検定によりカビに汚染された米
最近、脚気づいているのは、脚気とカビ毒に関する異説を紹介する前に定説を理解してもらおうって流れから。今回は、脚気の病型の一つである衝心脚気(しょうしんかっけ)についての医学的定説を紹介する。というのも、「衝心脚気は通常の型の脚気とは区別される独立した疾患であり、ビタミン欠乏とは直接関わりがない」という(定説とは異なる)主張があるからである。さあ、どんどん話がマニアックになっていくよ。 衝心脚気は英語でcardiac acute beriberi(心臓急性脚気)、acute cardiovascular beriberi(急性心血管性脚気)、fulminant cardiac beriberi(劇症心臓性脚気)とか呼ばれることもあるが、Shoshin beriberiというのが一般的であるようだ。Shoshinはそのまんま衝心で、beriberiは脚気のこと。現在、英文の医学論文検索エンジン
■やる夫で学ぶ脚気論争では、高木兼寛と森林太郎の論争を通じて、食事の改善が脚気を予防しうることを学んだ。しかし、蛋白質不足/炭水化物過剰が脚気の原因であるとする高木の仮説は、現在の知識から考えると不正確である。定説の脚気ビタミンB1欠乏説の成り立ちを知ることは、科学がどのように進歩するのかを理解するのに役に立つだろう。 19世紀末は、結核菌、コレラ菌などが次々と発見された細菌学の勝利の時代だった。エイクマン(Eijkman)も、細菌学の開祖とされるコッホの研究室で細菌学を学んだ。当時、脚気も細菌によるものであると考えられ、オランダの脚気調査チームも脚気菌を発見したと報告した。エイクマンは、バタビア(インドネシア)の研究所で、脚気菌の研究を引き継いだが、困ったことに追試は成功しなかった。 でも1889年になって無視出来ないイレギュラー因子がエイクマンの周囲に現れた。それが、脚気様症状が出現し
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