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ブックマーク / synodos.jp (10)

  • マイナス金利 ―― 冷静な議論のための論点整理/中里透 - SYNODOS

    このところ、マイナス金利の解除をめぐる議論が活発に行われている。マイナス金利を続けながら、円安の行き過ぎを懸念して為替介入をするというのは平仄が合わないから、日銀当座預金に対するマイナスの付利を適切な形で見直すというのはおかしなことではない。 もっとも、「急いては事を仕損ずる」という場合もある。2000年8月に行われたゼロ金利政策の解除がその典型例だ。物価の情勢がまだ十分に見通せない中、デフレ懸念の払拭が展望できるようになったとしてゼロ金利を解除したものの、ITバブル崩壊の影響もあって景気が悪化。物価下落の圧力が高まったとして2001年2月に公定歩合の引き下げが行われ、3月には量的緩和という形で事実上のゼロ金利政策に復帰せざるを得なくなった。 この点からは、景気と物価の状況を慎重に見極めて、誤りのない判断をしていくことが必要になる。海外景気に下振れのリスクがあることを踏まえれば、なおさらだ

    マイナス金利 ―― 冷静な議論のための論点整理/中里透 - SYNODOS
    howlingpot
    howlingpot 2023/12/19
    期待を考慮しない内閣府の計量モデルで1%の政策金利引き上げは1%の実質GDP減少をもたらす。マイナス金利解除が時間軸効果等を通じより大きな影響を与えない理由もないので、当面は解除しないリスクに賭ける方が安全。
  • 「植田日銀」は「出口」を出られるか――物価高と金融政策の今後について考える/中里透 - SYNODOS

    マクドナルドのハンバーガーが170円になった。税込みの価格でみると20年前の3倍近くの値段になったことになる。「100円マック」は消費税率が10%になったのを機に110円となったが(2019年10月)、その後の60円分の値上げはいずれもこの1年間に行われたものだ。このことひとつをとってみても、最近の「物価高」のすごさがわかる。 これほどまでではないが、スーパーで買い物をしてレジで会計をすると、同じような買い物なのに、前よりも100円玉を1枚か2枚余計に出さないと会計ができなくなったという経験をした人も少なくないだろう。毎月(あるいは2か月に一度)送られてくる電気代、ガス代の請求書(払込票)をみて、ため息をついている人もいるかもしれない。実際、消費者物価指数のデータでは、月に1回以上購入する品目の物価は前年同月比で8%近い値上がりとなっている。 もっとも、こうした中にあっても、品とエネルギ

    「植田日銀」は「出口」を出られるか――物価高と金融政策の今後について考える/中里透 - SYNODOS
    howlingpot
    howlingpot 2023/02/17
    債券市場関係者の泣き言を受けて「量を目的としない政策」として始まったYCC上限金利固定が、世界的なインフレ期待の高まりの中で、事実上無制限の量的緩和と化してるおかしみがあるんだよなwで、また泣き言始めたw
  • ロシアによる非合理的な軍事侵攻とプーチンの「世界観」/溝口修平 - SYNODOS

    はじめに 2022年2月24日に始まったロシア軍のウクライナ侵攻から約2ヶ月が経過し、戦争被害の悲惨さが連日報じられている。この間、さまざまなところで「プーチンの狙いは何か」が議論されてきた。当の「プーチンの狙い」を知るのはプーチン自身のみであり、どのような議論も結局は推測の域を出ないものになってしまう。しかし、この小論では、次の2つを目標に定めて議論を展開することで、「プーチンの狙い」に接近していきたい。1つ目は、「プーチンの狙い」は合理的には説明できないという点を明らかにすることであり、2つ目は合理性に基づかない決定が今回の悲劇を招いているとすると、何がそのような決定をもたらしていると考えられるかを検討すること、である。 ここでの仮説は「利益」ではなく「価値」の実現こそがプーチンの目指すものではないかということである。これはあくまで仮説に過ぎない。しかし、ロシアの行動を合理的に説明で

    ロシアによる非合理的な軍事侵攻とプーチンの「世界観」/溝口修平 - SYNODOS
    howlingpot
    howlingpot 2022/05/02
    キーウが2日で陥落していたら全く違った筆致の記事になったはず。ウイグルジェノサイドへの態度を見ても、ドイツを筆頭とした欧州諸国は、形ばかりの制裁の後に食料燃料を握るロシアへの依存と追従を続けたのでは。
  • 信用乗数論は信用できるか――マイナス金利について考える/中里透 - SYNODOS

    銀行による大規模な金融緩和(量的・質的金融緩和)がスタートしてから、あと1月ほどで8年が経過する。マネタリーベースを操作対象とする教科書通りのシンプルな枠組みであった「異次元緩和」にはさまざまな付属品がついて、いまでは建て増しを重ねた温泉旅館のようになってしまったが、マイナス金利政策の導入から5年という時期にも当たる現在の時点で、これまでの経過を振り返っておくことは有益な試みであろう。 ここではその出発点として、「信用乗数論」というキーワードをもとに、現在の金融政策の基的な枠組みとそのもとでの金融政策の運営について点検を行っておくこととしたい。 なお、信用乗数(貨幣乗数)をめぐっては、マネタリーベース(ハイバワードマネー)とマネーストック(マネーサプライ)の間に安定的な関係があるか(乗数は安定的か)、マネタリーベースを増やすとその乗数倍だけマネーストックが増えるという機械的なメカニズ

    信用乗数論は信用できるか――マイナス金利について考える/中里透 - SYNODOS
    howlingpot
    howlingpot 2021/02/26
    信用創造を直接促すよりは、ポートフォリオリバランスによる為替や資産価格の変化を通じて景気刺激する政策と思ってる。ただマイナス金利で円高という話もあるようだし、収益下がる金融機関自体の株価は下がるね。
  • なぜ日本に社会民主主義は根付かないのか?/近藤康史 - SYNODOS

    筆者は以前に、『深まる社会民主主義のジレンマ』というタイトルで、近年のヨーロッパ各国における社会民主主義政党の状況について考える論考を寄稿した(2019年3月26日公開)。今回はそこでの議論も踏まえ、その続編として「日における社会民主主義」について考えてみたい。 現在において「日の社会民主主義」を考える場合、まず思いつくのは、かつての日社会党の系譜を受け継ぐ社会民主党の存在であろう。しかし直近の参議院選挙(2019年7月)で社会民主党は比例区にて得票率2.09%で、かろうじて1議席を獲得するにとどまった。この選挙で話題となったれいわ新撰組と比べても得票数は半分以下である。また、同じく話題となったNHKから国民を守る会を、比例区ではかろうじて上回ったものの、その差は6万票程度、得票率にして0.12%の差であった。 もちろん、社会民主党だけが社会民主主義を体現する政党というわけではないだ

    なぜ日本に社会民主主義は根付かないのか?/近藤康史 - SYNODOS
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    howlingpot 2020/06/03
    福島原発事故で昭和の化石のような文化左翼が息を吹き返したのが痛恨事。そもそも左派は90年代以降改革派と称し、緊縮や円高を礼賛して労組の基盤である中間層を破壊してきた。左派自身がだらしないのが最大の原因。
  • 天候不順と消費増税――2013年に逆戻りするアベノミクス/中里透 - SYNODOS

    2月17日に公表されたGDP速報値(1次速報値)では、昨年10-12月期の実質成長率が年率換算で6%を上回る大幅なマイナスとなった。この落ち込みについては台風と暖冬の影響が大きいとされている。 もっとも、この説明を額面通りに受け取ることはできないかもしれない。消費税率が8%に引き上げられた2014年には、増税後の景気回復の遅れが冷夏のためとされていたが、その後2年以上にわたって消費の停滞が続くなど、天候不順による一時的な要因では説明できない状況が生じたからだ。 そこで、稿では最新のデータをもとに足元の景気の動向を確認し、今後の道行きについて考えてみたい。稿の主たるメッセージは、 ・消費や生産などのデータからは、昨年(2019年)10-12月期の景気の落ち込みの主たる要因が台風や暖冬であるとの見方は支持されない ・最近公表された経済指標の中には、足元の生産・消費や景況感が2013年の水準

    天候不順と消費増税――2013年に逆戻りするアベノミクス/中里透 - SYNODOS
    howlingpot
    howlingpot 2020/02/19
    大規模緩和と言っても(所得水準が同程度の)韓国台湾シンガポールらと比べてまだまだ通貨高で、白川体制下で粉々に破壊された中間層=製造業の雇用激減のトレンドを食い止めた程度でしかないんだよねー
  • こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに/大賀祐樹 - SYNODOS

    自民党には入れたくないけど、かといって他に入れたい政党は無いなぁ……」 選挙で投票する時、こんな風に感じたことのある人もいるのではないだろうか。自民党の一強状態が続いているとしても、無党派層の数は多い。二〇一九年七月のNHKの世論調査では、自民党の支持率34.9%に対して、「支持なし」の回答は38.3%と上回っている。一方、野党で一番支持を集めた立憲民主党でも5.8%に留まる。安倍内閣を「支持しない」という回答が31%であるのに対して、与党の公明党を除いた野党の支持率の合計は保守寄りとされる日維新の会を入れても14.1%に過ぎない。 このことから考えられるのは、自民党や安倍内閣を支持する人が多く存在している一方で、自民党や安倍内閣を支持したくないと考えている人も少なからず存在していること、それにも関わらず、自民党や安倍内閣以外に積極的に支持したいと思える政党があると感じる人がかなり少な

    こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに/大賀祐樹 - SYNODOS
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    howlingpot 2020/01/15
    愛国的な左派と言うと韓国で絶賛反日ヘイトを流布している人達がそれに当たると思うけど、あれはあれで困ったもんだよね。韓国の社会学徒はああいうファナティックな人達を見て頭抱えてないのかなあ。
  • 「趣味の歴史修正主義」を憂う/大木毅 - SYNODOS

    拙著『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』(岩波新書)を上梓してから、およそ3 か月になる。幸い、ドイツ史やロシア・ソ連史の専門家、また一般の読書人からも、独ソ戦について知ろうとするとき、まずひもとくべき書であるという過分の評価をいただき、非常に嬉しく思っている。それこそ、まさに『独ソ戦』執筆の目的とし、努力したところであるからだ。 残念ながら、日では、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の展開について、30 年、場合によっては半世紀近く前の認識がまかり通ってきた。日のアカデミズムが軍事や戦史を扱わず、学問的なアプローチによる研究が進まなかったこと、また、この間の翻訳出版をめぐる状況の悪化から、外国のしかるべき文献の刊行が困難となったことなどが、こうしたタイムラグにつながったと考えられる。もし拙著が、そのような現状に一石を投じることができたのなら、喜ばしいかぎりである。 しかし、上のような事情から、日

    「趣味の歴史修正主義」を憂う/大木毅 - SYNODOS
    howlingpot
    howlingpot 2019/11/19
    記事からは戦後のドイツが長く"清廉潔白な国防軍"神話に染まり、非ナチ化も不十分なまま過ごし、恐らく十分な世代交代が進むまで続いたことが読み取れる。本題の方も似たような解決を待てばいいだけじゃないかな。
  • 実質賃金と毎月勤労統計をめぐるQ&A 参考値の前年比は▲0.3%(試算)/中里透 - SYNODOS

    実質賃金と毎月勤労統計をめぐるQ&A 参考値の前年比は▲0.3%(試算) 中里透 マクロ経済学・財政運営 経済 #実質賃金 毎月勤労統計の「不正調査」をめぐる問題に関して、昨年(2018年)の実質賃金の前年比がプラス・マイナスいずれだったのかということが大きな注目を集めている。国会では連日この問題が議論され、「参考値」(共通事業所の実質賃金のデータ)の開示が強く求められている。こうした中、2月22日には名目賃金の「実質化をめぐる論点」を審議するための検討会が厚生労働省に設置された。そこで、以下ではこの問題についてQ&形式で論点整理を行ってみることとしよう。 Q1.いま話題となっている2018年の実質賃金(参考値(共通事業所系列))は、実際のところどのような状況となっているのでしょう? A1.厚生労働省からは18年通年の参考値のデータは名目・実質ともに公表されていませんが、すでに公表されてい

    実質賃金と毎月勤労統計をめぐるQ&A 参考値の前年比は▲0.3%(試算)/中里透 - SYNODOS
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    howlingpot 2019/02/25
    やっぱり野党(側の某弁護士)の-0.4%って試算は変だよね。他人に指数計算のやり方指南する割に加重平均全然わかってなくて面白かった。通年の前年比を出さない言い分は先週金曜の検討会資料で大体分かる(誤差の問題)。
  • 実質賃金についてどのように考えるか?――「統計不正」と「実感なき景気回復」のあいだ/中里透 - SYNODOS

    実質賃金についてどのように考えるか?――「統計不正」と「実感なき景気回復」のあいだ 中里透 マクロ経済学・財政運営 経済 毎月勤労統計(厚生労働省)をめぐる問題が大きな注目を集めている。この問題は「統計不正」という言葉で一括りにされることが多いが、統計処理の「不正」をめぐる報道には誤解もみられる。そこで、稿ではこの問題について、実質賃金をめぐる議論を中心に論点整理を行うこととしたい。稿の主たるメッセージは、 ・この「不正」をめぐる問題は、統計調査の手続きをめぐる行政上の問題と統計データの処理そのものの問題を分けて議論するほうが話の見通しがよくなる。 ・昨年(2018年)の実質賃金の伸び率(対前年比)に注目が集まっているが、18年の実質賃金の話はやや強調され過ぎというきらいがある。実質賃金が大きく下がったのは13年の年央から14年の春にかけてであり、その背景には円安と消費増税に伴う物価上

    実質賃金についてどのように考えるか?――「統計不正」と「実感なき景気回復」のあいだ/中里透 - SYNODOS
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    howlingpot 2019/02/18
    労働時間指数にも注目してほしい。賃金率=時間あたり実質賃金は円安が進んだ2013年もプラス。雇用が拡大する人手不足の局面では、既存の労働者はより長く労働すると考えられるから、実質の手取りも総じて増えた。
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