理化学研究所(理研)は10月4日、アルツハイマー病の発症に関与している可能性を示す細胞の自食の機能を発見したと発表した。 同成果は、理研脳科学総合研究センター 神経蛋白制御研究チームのニルソン パー研究員、津吹聡専門職研究員、西道隆臣チームリーダーらによるもの。詳細は、米国の科学雑誌「Cell Reports」に掲載された。 脳機能障害を主症状とする神経変性疾患と知られる「アルツハイマー病」は、現代社会における深刻な病気の1つとなっており、予防法や治療法の確立が求められている。これまでの研究からその主な原因として、脳内で特徴的なアミロイド班を形成することで知られる不要性のアミロイドβペプチド(Aβ)が蓄積、濃度の上昇が考えられている。 また、生物の細胞内には、生命活動を維持するうえで必須の異常・過剰なタンパク質をすみやかに分解・リサイクルする「細胞の自食」という仕組みがあるが、これが欠失す