【シンガポール=工藤武人】ロシアのプーチン大統領は15日、訪問先のシンガポールで記者会見し、安倍首相との首脳会談で1956年の「日ソ共同宣言」を基礎に平和条約交渉を加速させると合意したことについての見解を述べた。プーチン氏は「(宣言では)どのような条件で、どこが主権を有するかは言及されていない」などと述べ、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の2島の主権の帰属を巡って妥協しない姿勢を示した。 記者会見は、プーチン氏が東アジア首脳会議(EAS)に初めて出席するなどしたシンガポール訪問を総括するため、露メディア向けに行われた。 プーチン氏は露メディアの質問に対し、冒頭、「日本のパートナーと、56年宣言に基づき対話を復活させた」と述べ、安倍首相から提案があったことを明らかにした。