今年の1月に名古屋で亡くなった浅川マキ。「アンダーグラウンドの女王」などという呼称はあまりに安直かもしれませんが、しかし「アングラ」という言葉が磁力を持ち得ていた時代、日本でもっとも暗く輝いていたアーティストであったことはまちがいありません。 生前、浅川マキのCDは10枚組の自選作品集ボックスが出ていたほかは(マストバイ!)、『DARKNESS I~IV』がリリースされていただけでした。一時、アナログ・レコード時代の旧譜が数枚リイッシューされましたが、本人の強い希望ですぐに廃盤となったそうです。 そんなアナログ・ワールドに生きてきた浅川マキの、いま手に入る最高のベスト盤が発売されました。生前、マキを支えたプロデューサーやスタッフたちが再結集して選んだ、2枚組32曲。ディスク1は比較的よく知られた曲が多いですが、2枚目はあまり知られていない曲が多い、かなり凝った選曲。そして32曲中、なんと1