こんなピアニスト見たことない! 第3位を受賞した昨年10月のショパン国際ピアノ・コンクールから、年齢にそぐわぬ成熟した音楽性と、異様なまでの集中力をみせる演奏中の姿が話題になっていたロシアのダニール・トリフォノフ(Daniil Trifonov)。今年5月のアルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールで第1位、6月のチャイコフスキー国際コンクールではグランプリ(史上2回目の、第1位より上の最上位)を受賞し、世界でもっとも注目される若手ピアニストとなった。9月に東京で行なわれたチャイコフスキー・コンクールのガラ公演とソロ・リサイタルでは、“正統派の型破り”とでも呼びたい、ユニークな演奏を披露。どんな怪物的な“天才”かと思っていたら、本人はいたって元気いっぱいの、好奇心旺盛な二十歳の青年なのであった。 ――今年の5〜6月は、あなたにとってとても多忙な時期でしたね。ルービンシュタイン・