この人の話を聞くのが好きだ。とにかく膨大なエネルギーを感じるから。まくしたてるように次々と言葉を口から出し、その言葉の一つ一つがウィットに溢れていて、猛烈な求心力を纏っている。それはもちろん彼(ら)のライヴ・パフォーマンスにも言えることで……というか、あのライヴのパッションがとどまることなくそのまま一個人としての素顔にも表出されている、と解釈すべきだろう。それは紛うことなきロックのエナジー。だから、本音を言うと、1990年代に沖縄やアイルランドなど様々な国、エリアの民謡を取り入れるようになった時にやや寂しさを感じたりもした。だが、今思えばそれもまたエネルギーの澱みない放出作業だったのだろう、と今にして思う。全ては地続き。最初からずっとこの人は“中川 敬”であり続けてきた。中川 敬はいつも中川 敬。アコースティック・ギター1本で日本全国を回っているかと思えば、ニューエスト・モデルの曲もガンガ