日本、アジアの現代美術家を中心に発掘、紹介、育成を手がけるギャラリスト三潴末雄氏。ギャラリーのあるシンガポールで一年の半分を過ごす氏にアートの楽しみ方について聞いた。 ーー現在、東京とシンガポールの2カ所でギャラリーを運営されておられますね。 シンガポールで就労ビザ(EP)を取得しているので、年の半分はそちらに。シンガポールを拠点にアジア各地や欧米諸国まで足を延ばし、新しい作家さんの発掘や作品の買い付けを行っています。僕はどこでも寝られるし、基本的に何でも食べられる。それが海外で長く仕事をして成功する秘訣かな(笑)。 ーー渡航先で、仕事以外でされることは? 悲しいかな、観光したことがないんです。だいたいはホテルとアートフェア会場の間を行ったり来たりで、その道すがらのレストランで食事する。 ただ先日はロンドンで久しぶりにギャラリーを見て歩くことができました。僕は1980年代にロンドンに住んで