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ブックマーク / artexhibition.jp (99)

  • 【レビュー】彫られた作品に封入された時間を旅してみよう! 気鋭のアーティストデュオ「Nerhol」が公立美術館で初の大規模個展を開催中 千葉市美術館で11月4日まで

    Nerhol(ネルホル)は、田中義久さん(1980年~)と飯田竜太さん(1981年~)により2007年に結成されたアーティストデュオです。紙と平面的構成によるグラフィックデザインを行う田中さんと、紙や文字を素材とする彫刻家の飯田さんからなる気鋭のデュオが、公立美術館で初の大規模個展「Nerhol 水平線を捲る」を開催中です(千葉市美術館で11月4日(月・祝)まで)。 Nerholは2012年、「連続撮影した写真の束を彫刻する」という制作スタイルのポートレートシリーズ、《Misunderstanding Focus》で一気に注目を集めました。飯田さんは、「私たちは、時間を封入した半立体の作品を作っている」と語ります。 「時間を封入した」とはどういうことなのでしょう? また、彼らの半立体は何を彫り出しているのでしょう? 展会場で過去の代表作や、新しいチャレンジを試みた近作、そして千葉の土地・

    【レビュー】彫られた作品に封入された時間を旅してみよう! 気鋭のアーティストデュオ「Nerhol」が公立美術館で初の大規模個展を開催中 千葉市美術館で11月4日まで
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    hyougen 2024/10/07
  • 【レビュー】「出光美術館の軌跡 ここから、さきへ IV 物、ものを呼ぶ―伴大納言絵巻から若冲へ」出光美術館で10月20日まで ビル建替前最後のコレクション展 若冲に抱一、書画コレクションの国宝、重要文化財が勢揃い

    「出光美術館の軌跡 ここから、さきへ IV 物、ものを呼ぶ―伴大納言絵巻から若冲へ」が出光美術館で10月20日まで開催中です。出光美術館は、帝劇ビルの建替計画にともない、2024年12月25日まで開催する特別展「トプカプ宮殿博物館・出光美術館所蔵 名宝の競演」をもって、しばらくのあいだ休館することとなりました。今年4月から10月までは出光美術館のコレクションを紹介する4つの展覧会が開催され、展はその最後を飾る展覧会です。 展覧会のタイトル「物、ものを呼ぶ」は、陶芸家・板谷波山いたやはざん(1872-1963)が出光美術館の創設者・出光佐三いでみつさぞう(1885-1981)に語った言葉に由来します。「なんらかの理由で別れ別れになっている作品でも、そのうちのひとつに愛情を注いでいれば、残りはおのずと集まってくる」という、蒐集家の心得を述べたものでした。この言葉は、4つの展覧会全体を通じて感

    【レビュー】「出光美術館の軌跡 ここから、さきへ IV 物、ものを呼ぶ―伴大納言絵巻から若冲へ」出光美術館で10月20日まで ビル建替前最後のコレクション展 若冲に抱一、書画コレクションの国宝、重要文化財が勢揃い
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    hyougen 2024/10/02
  • みんぱく創設50周年記念特別展「吟遊詩人の世界」

    各地を広範に移動し、詩歌を歌い語る「吟遊詩人」は古くから存在した。王侯貴族の系譜の語り部、戦場で兵士を鼓舞する楽師、権力者を揶揄する批評家、道化師、庶民の代弁者、ニュースを伝えるメディア、門付け芸人。吟遊詩人は、ときには畏怖の対象とされ、ときには社会の縁に追いやられてきた。 近年では、ポピュラー音楽界や消費社会、文化遺産保護運動とのつながりのなかで、芸能の様式や自身のイメージを変え生き延びてきた。吟遊詩人のパフォーマンスやそれらを成りたたせる物質文化を紹介するとともに、彼ら、彼女たちをはぐくんできた地域の人びとの息吹を伝える。

    みんぱく創設50周年記念特別展「吟遊詩人の世界」
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    hyougen 2024/09/13
  • 【レビュー】「髙田賢三 夢をかける」パリに愛された髙田賢三、没後初の大規模個展 東京オペラシティ アートギャラリーで9月16日まで

    2020年に惜しまれつつ逝去した髙田賢三(1939〜2020年)の没後初となる大規模個展「髙田賢三 夢をかける」が、東京オペラシティ アートギャラリーで9月16日(月・祝)まで開催されています。 東京の文化服装学院で学んだ後、24歳の若さで単身パリに移住した高田賢三。1970年、パリで自らのブランドを立ち上げました。生涯を通して活躍の拠点となったパリで、髙田がいかに愛されていたかは、展開催に際してアンヌ・イダルゴ パリ市長から寄せられた次のようなメッセージからもわかります。 「(前略)パリは彼が50年以上住んだ街であり、彼が生きることを選んだ街です。私は、この街を愛したアーティストの業績を称え、敬意を表する機会を得たことを嬉しく思います。(中略)彼の貢献は、その革新性と創造的な精神によって、パリの文化により多大な影響を与えたことです。パリは、『最もパリらしい日人テ

    【レビュー】「髙田賢三 夢をかける」パリに愛された髙田賢三、没後初の大規模個展 東京オペラシティ アートギャラリーで9月16日まで
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    hyougen 2024/09/12
  • 【関西】「京都モダン建築祭」11月1日(金)~10日(日)に開催。過去最多の102件が参加

    京都に現存するモダン建築を一斉公開するプロジェクト「京都モダン建築祭」が11月1日(金)から始まります。3回目を迎える今年は、過去最多の102件(8月26日現在)が参加。9月2日(月)から「パスポート」の販売と「ガイドツアー」の抽選受付が行われます。詳しくは、記事末尾の「京都モダン建築祭」公式サイトをご覧ください。 <プログラムの詳細> 「パスポート公開」の建築は、事前申し込み不要で、9月から発売されるパスポートを提示すれば見学できます。前期(11月2日・3日)と後期(11月9日・10日)に分けて10エリアの45件(8月26日現在)が一斉公開されます。 「ガイドツアー」は定員制で有料です。希望者は9月2日(月)~30日(月)に抽選に申し込んでください。その後は、先着順で受け付けます。また、当日でも空きがあれば申し込めます。 ほかに「特別イベント」や「連携企画」も展開されます。 <パスポート

    【関西】「京都モダン建築祭」11月1日(金)~10日(日)に開催。過去最多の102件が参加
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    hyougen 2024/09/03
  • 「開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ」 来場者も主役の展覧会 東京都現代美術館で11月10日まで

    東京都現代美術館で開催中の「開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ」(11月10日まで)。路上や芸術祭のゲリラパフォーマンス、地域や学校でのワークショップ、被災地での取り組みなど「美術館」や「展覧会」の枠組みに収まらない活動で知られます。 来場した人は様々な形で展示に関わることができます。渡された発泡スチロールの梱包の切れ端を思い思いに投げていきます。会期が進むにつれてどんな姿になるんでしょう。発泡スチロールは開発さんこだわりのモチーフ、立体作品も楽しいです。 発泡スチロールを「えいっ」と投げ込みます。 東日大震災の被災地での記録など、心に響く活動の数々が紹介されます。協力者や参加者と結びつきながら、社会構造や時事的なテーマにささやかに介入していきます。「ひとり民主主義」とはまさに言い得て妙です。 被災地に政治家に来てほしい、と実際に現場に立てた「政治家の家」。実際

    「開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ」 来場者も主役の展覧会 東京都現代美術館で11月10日まで
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    hyougen 2024/08/27
  • 【プレビュー】ふたつの大戦の間、「モダニズム」の時代の版画を観る――町田市立国際版画美術館で企画展「両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代」9月14日から

    休館日:月曜休館、ただし9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館し、9月17日、23日、10月15日、11月5日が休館 1920年代のフランスとアメリカは、第一次世界大戦後の好景気に沸き「狂騒の時代」と呼ばれる華やかな時代を迎えた。自動車や飛行機といった工業的なモティーフ、サーカスやキャバレーの喧騒、最新のファッションを身にまとうモダンガール・・・・・・アーティストたちの作品は、時代を賛美するものだった。 その一方でこの時代には、ドイツを中心に、戦争の惨禍を深く刻み込んだ作品や、享楽的な世相への皮肉、あるいは近代化に対する不安感を表現した作品も生まれた。事実、世界恐慌やファシズムの台頭によって平和な時代は10年ほどで終焉を迎え、1939年の第二次世界大戦勃発によってアートシーンは大きく揺さぶられることになる。 この展覧会では、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の約20年間に焦点を

    【プレビュー】ふたつの大戦の間、「モダニズム」の時代の版画を観る――町田市立国際版画美術館で企画展「両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代」9月14日から
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    hyougen 2024/08/06
  • 【レビュー】豊田市博物館  ~土地の記憶を受け継ぎ、人々とともに後世へ伝える丘の上の博物館~ 今春オープンした注目の新施設をレポート

    2024年4月26日、愛知県の豊田市に新しい博物館が誕生しました。既存の豊田市郷土資料館と豊田市近代の産業とくらし発見館を引き継ぐ形で、豊田市美術館のすぐ隣に建てられました。21世紀の博物館として、どのようなコンセプトのもとに展示や活動が行われているのでしょうか。開館から2ヶ月がたち、当初の企画展や賑わいが落ち着いた6月に訪れてみました。 エントランスの屋根には丸く穴が開けられており、市章型の影が落ちるようになっています。 環境への負荷に配慮した現代の建築 豊田市博物館は小高い丘の上にあり、敷地に入ってからゆるゆると続く坂を上がってゆくと、少しずつ姿が見えてきます。深い軒を思わせる木造の屋根と、それを支える樹木のような柱が印象的なエントランスです。この建物は、日や世界各地で設計活動や災害支援活動を行っている坂茂氏によって設計されました。サステナビリティ(持続可能性)に配慮し、建設時におけ

    【レビュー】豊田市博物館  ~土地の記憶を受け継ぎ、人々とともに後世へ伝える丘の上の博物館~ 今春オープンした注目の新施設をレポート
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    hyougen 2024/08/01
  • 【レビュー】127点のアジアの近現代アートを一堂に!「福岡アジア美術館開館25周年記念コレクション展 アジアン・ポップ」9月3日まで

    今年3月に開館25周年を迎えたのが、アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する世界に唯一の美術館である福岡アジア美術館です。福岡とアジア各国をアートで結ぶ拠点である同館が、25周年記念の展覧会として開催するのが、9月3日まで開催中の「25周年記念コレクション展 アジアン・ポップ」です。 大量消費社会が生み出した広告などから生まれるイメージを取り込み、時代や社会の流れをとらえてきたアジアのポップアートに注目し、同館が所蔵する約5400点の作品のなかから127点を展示しています。

    【レビュー】127点のアジアの近現代アートを一堂に!「福岡アジア美術館開館25周年記念コレクション展 アジアン・ポップ」9月3日まで
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    hyougen 2024/07/28
  • 【プレビュー】「平田晃久―人間の波打ちぎわ」建築家の脳内イメージにアプローチ! 改築設計を担う練馬区立美術館で7月28日から

    練馬区立美術館・貫井図書館 模型 (C) 平田晃久建築設計事務所 平田晃久さんの改築設計のもと、練馬区立美術館はいかに生まれ変わるのでしょう 現代建築を代表する建築家・平田ひらた晃久あきひささん(1971年~)の建築世界を紹介する展覧会「平田晃久―人間の波打ちぎわ」が練馬区立美術館で7月28日(日)から 9月23日(月・休)まで開催されます。 平田さんは、2022年に日建築学会賞を受賞した「太田市美術館・図書館」(2017年)をはじめ、「八代市民俗伝統芸能伝承館」(2021)、「前橋ガレリア」(2023)などの建築で知られています。 太田市美術館・図書館 (2017) (C) Daici Ano 八代市民俗伝統芸能伝承館(お祭りでんでん館) (2021) (C) Daici Ano 2028年度にリニューアル予定の練馬区立美術館の改築設計も平田さんが担当。平田さんの代表的な建築作品群に、

    【プレビュー】「平田晃久―人間の波打ちぎわ」建築家の脳内イメージにアプローチ! 改築設計を担う練馬区立美術館で7月28日から
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    hyougen 2024/07/27
  • 2024年下半期のオススメ展覧会・美術展40選 モネ、神護寺、舟越桂、ハニワなど

    開催中 1「テルマエ展」(神戸市立博物館)~8月25日 2 「キース・へリング展 アートをストリートへ」(福岡市美術館)~9月8日 (名古屋・松坂屋美術館)9月28日~11月16日(静岡会場)2024年11月~2025年1月(予定) 3 「大シルクロード展」(愛媛県美術館)~9月1日 (岡山県立美術館)9月16日~11月10日 (京都文化博物館)11月23日~2025年2月2日 4 「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」(東京富士美術館)~ 9月29日 (大阪・あべのハルカス美術館)10月12日~2025年1月5日 5 「村上隆 もののけ 京都」(京都市京セラ美術館)~9月1日 6 「デ・キリコ展」(東京都美術館)~8月29日 (神戸市立博物館)9月14日~12月8日 7 「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」(東京・サントリー美術館)~9月1日 8 「TRIO パリ・東京・大阪 

    2024年下半期のオススメ展覧会・美術展40選 モネ、神護寺、舟越桂、ハニワなど
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    hyougen 2024/07/25
  • 特別展 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!

    「11ぴきのねこ」シリーズの作者として知られる漫画家・馬場のぼる(1927〜2001)。ズルいところもあるけれど、どこか憎めないねこたちは今なお幅広い世代に愛され続けている。 馬場は1948年に漫画家としてデビューし翌年に上京。児童漫画を発表し、手塚治虫や福井英一とともに「児童漫画界の三羽ガラス」と呼ばれるほどの人気漫画家となった。大人向けの漫画も手掛けながら絵の世界へも転進し、さらに活躍の場を広げていく。そして後にロングセラーとなる『11ぴきのねこ』が誕生した。馬場が絵でも漫画でも変わりなく追及したことは、人を和ませる“いい笑い”であり、ほのぼのとした絵柄と深みのあるユーモアにあふれた作品は多くの人の心をとらえた。 展では馬場の代表的な漫画や絵の原画のほか、50年間描きためた秘蔵のスケッチブック、絵画や立体作品などを展示。そして馬場のぼるの創作のルーツから知られざる素顔まで、

    特別展 まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!
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    hyougen 2024/07/25
  • 【亀蔵 meets】⑮大倉集古館「もうひとりのル・コルビュジエ―絵画をめぐって」その2-「建築よりも絵画の方が、きっと『自分を出しやすい』ものだったんでしょうね」

    大倉集古館で開催されている特別展 大成建設コレクション「もうひとりのル・コルビュジエ―絵画をめぐって」を訪れた今回の「亀蔵meets」。ル・コルビュジエ(1887~1965)の建築と絵画にはどのような違いがあり、どのような関係があるのか。これだけのコレクションを大成建設が所有することになったきっかけは? アート好きの歌舞伎役者・片岡亀蔵さんとともに、大成建設ギャルリー・タイセイの学芸員、林美佐さんに聞いてみよう。 (文・田中聡、会場写真・青山謙太郎) ル・コルビュジエ《女のいるコンポジション》 (パピエ・コレ、1952年) 大成建設所蔵 ――450点にも上るル・コルビュジエのコレクション。絵画から彫刻、版画に至るまで壮観ですね。そもそも、大成建設はなぜ、このコレクションを持っていらっしゃるんでしょうか 林 そもそもの話ですね。テオドール・アーレンバーグ(1912~89)というスウェーデン出

    【亀蔵 meets】⑮大倉集古館「もうひとりのル・コルビュジエ―絵画をめぐって」その2-「建築よりも絵画の方が、きっと『自分を出しやすい』ものだったんでしょうね」
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    hyougen 2024/07/22
  • 霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展(群馬展)

    大森暁生(1971~)は、動物や鳥を主なモチーフに、写実表現と幻想性をあわせ持った作品を制作する彫刻家である。カラスの舟、月夜にたたずむ架空の生き物、角を生やした狼や象。大森は「誰も見たことがないもの」を求める心が創作の原点であると語っている。そこから生み出された作品は、純粋で静謐な意志を宿し、「霊気」とでも呼ぶべき気配を帯びている。展では、人物や動物像をはじめ、鏡の効果を用いた「in the frame」シリーズ、ファッションブランドとのコラボレーション作品など、これまでの制作の軌跡に最新作を加え、木彫や金属による彫刻約100点を作家の言葉とともに紹介する。

    霊気を彫り出す彫刻家 大森暁生展(群馬展)
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    hyougen 2024/07/07
  • 下瀬美術館は広島の海へと開かれたアートの庭!「開館一周年記念 加山又造 ―革新をもとめて」が6月30日まで開催【PR】

    この陶板美術作品は、日画である《華扇屏風》(山種美術館所蔵)をもとに制作された複製品 ©SIMOSE 下瀬美術館は2024年「世界で最も美しい美術館」に選出されました。ユネスコで創設された建築賞《ベルサイユ賞》が「世界で最も美しい美術館」リストを発表し、世界の美術館・博物館の7施設のなかに、同館が選ばれました。 ◇ 昨年春に広島県大竹市にオープンしたアート複合施設「SIMOSE」。そのなかにある「下瀬しもせ美術館」は開館一年にして、海外からのお客さんも続々と訪れています。この要注目のアートスポットに足を運びました。 季節の花々が咲く小道を抜けると、パッと開けた目の前に銀色の外観が特徴的な美術館の建物が現れます。鏡面でできた建物のボディーに空や木々が映り、美術館自体も刻一刻と変化する自然の一部のような趣が感じられます。 下瀬美術館外観 ©SIMOSE すべての外壁が長さ190m・高さ8.5

    下瀬美術館は広島の海へと開かれたアートの庭!「開館一周年記念 加山又造 ―革新をもとめて」が6月30日まで開催【PR】
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    hyougen 2024/07/01
  • 【レビュー】「追悼 篠田桃紅107年のキセキ」展 ~抽象水墨という唯一無二の世界をたどり、味わう~ 名古屋の古川美術館・分館爲三郎記念館

    愛知県・名古屋市内の閑静な住宅街に佇む古川美術館および分館爲三郎記念館では、6月15日より「追悼 篠田桃紅107年のキセキ」展が始まりました。篠田桃紅の創作活動を長年見守ってきたザ・トールマン コレクションより、1960年頃から100歳を超えた晩年までの作品、総数60点を7月28日まで展示しています。 独自の水墨抽象を確立した唯一無二の美術家 篠田桃紅(1913-2021)は、5歳の頃から父に書の手ほどきを受け、以後独学で書を極めました。独自のスタイルを模索して1956年から58年にかけて単身渡米してニューヨークに滞在し、これが大きな転機となります。墨と筆の可能性を追究した桃紅の抽象芸術は大きな称賛を受け、また桃紅自身も抽象表現主義の影響を大きく受けたのです。帰国後は、文字の意味や形にとらわれない水墨の線と色による形象、心身から生み出される墨の痕跡美による独自の水墨抽象を確立しました。また

    【レビュー】「追悼 篠田桃紅107年のキセキ」展 ~抽象水墨という唯一無二の世界をたどり、味わう~ 名古屋の古川美術館・分館爲三郎記念館
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    hyougen 2024/06/29
  • 【レビュー】正方形の光:ロバート・ライマン回顧展「見るという行為」(オランジュリー美術館、パリ)キュレーター・嘉納礼奈

    最近、近代美術を展示する美術館でも現代作家の作品をテーマとする企画が少なくない。作家の創作や試みが時を超えて交わり観客を巻き込む仕組みを作り出す。 現在、モネの睡蓮でお馴染みのパリ・オランジュリー美術館では、白い絵画で知られているアメリカ人アーティスト、ロバート・ライマン(1930-2019)の回顧展「見るという行為」が7月1日まで開催されている。 なぜ、クロード・モネ(1840-1926)の美術館でライマンの回顧展が開催されるのか。その理由は、ライマンがモネ同様に「絵画とは何か」という質的な問いを独自の手法で探求してきたためだ。 ライマンは白と正方形を使って、絵画の表面、境界、空間や光との関係、見る側の視線が時間の経過でどのように展開されるのかを徹底的に検証した。 フランス国内でのライマンの回顧展は1981年以来で、ライマンの「白い絵画」を通した約60年にわたる「見る」実験を私たちの視

    【レビュー】正方形の光:ロバート・ライマン回顧展「見るという行為」(オランジュリー美術館、パリ)キュレーター・嘉納礼奈
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    hyougen 2024/06/23
  • 【おとなのEテレタイムマシン 日曜美術館】「私と八木一夫」 司馬遼太郎 Eテレ 15日夜放送

    「おとなのEテレタイムマシン 日曜美術館」 「私と八木一夫」 司馬遼太郎 放送時間:Eテレ 6月15日(土) 22:00~22:46 番組ホームページ 今回は1981 年2月22日放送の日曜美術館「私と八木一夫 司馬遼太郎」。作家司馬遼太郎による陶芸家八木一夫の紹介です。 司馬遼太郎 京都・五条坂に、陶芸家の長男として生まれた八木は、戦後、器としてではなくものとしてのみ存在する陶芸を目指しました。前衛的な作品は「オブジェ焼」と呼ばれ、陶芸界の新しい流れとなりました。 八木と親しかった司馬遼太郎が、八木の代表作「ザムザ氏の散歩」を前に、最初に八木の作品を見たときに感じた拒否感や、次第に魅力を感じられるようになった経緯などを語ります。 (読売新聞デジタルコンテンツ部) 「ザムザ氏の散歩」が展示されている「走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代」菊池寛実記念 智美術館で9月1日まで

    【おとなのEテレタイムマシン 日曜美術館】「私と八木一夫」 司馬遼太郎 Eテレ 15日夜放送
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    hyougen 2024/06/18
  • 【プレビュー】「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」7月13日(土)から東京ステーションギャラリーで

    20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとり、ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)の大回顧展「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」が7月13日から、東京ステーションギャラリーで行われます。 フォロンは、若き日に偶然出会ったマグリットの壁画に感銘を受け、絵画世界に惹きつけられ、1955年に移住したパリ近郊でドローイングを描く日々を送ります。フランスではなかなか芽が出ませんでしたが、アメリカの『ザ・ニューヨーカー』『タイム』などの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになります。その後、各国で高く評価され、世界中の美術館で個展が開催されるなど目覚ましい活躍をみせました。 色彩豊かで詩情あふれるその作品は一見すると美しく爽やかにさえ感じられますが、そこには環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が隠れてい

    【プレビュー】「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」7月13日(土)から東京ステーションギャラリーで
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    hyougen 2024/06/18
  • 【レビュー】心の裏側を写し出す、非日常の版画たち――町田市立国際版画美術館で企画展「幻想のフラヌール-版画家たちの夢・現・幻」9月1日まで

    アクセス:小田急線町田駅東口から徒歩15分、JR横浜線町田駅北口から徒歩約15分、ターミナル口から徒歩約12分 「歩きながら思索にふける人」のことをフランス語では「フラヌール」というそうだ。詩人ボードレールが考案した概念のようである。人混みの中、あるいはだれも歩いていない夜の街を自分の足でさまよいながら、フラヌールは様々な物事を思い浮かべる。それは吉田兼好がいう「心に移りゆくよしなし事」のようなものだろうか。まるで一粒の麦のように大衆の中に溶け込んで、フラヌールは都会を放浪しているである。日語では「遊歩者」と訳されるこの言葉。それが何を指すかを考えていけば、この展覧会が何をもくろんでいるかが推測できるだろう。現実と夢、幻と実態の間を行き来する想念。20世紀から現代へと生きる人々の心象風景。25人の作家たちが生み出した約150点の作品が展示されているのである。 清原啓子 《領土》 エッチン

    【レビュー】心の裏側を写し出す、非日常の版画たち――町田市立国際版画美術館で企画展「幻想のフラヌール-版画家たちの夢・現・幻」9月1日まで
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    hyougen 2024/06/13