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ブックマーク / note.com/elis_ragina (10)

  • interview Tomeka Reid:チェロでジャズを弾くこと、作曲/キュレーション論、AACMについて(1,5000字)|柳樂光隆

    interview Tomeka Reid:チェロでジャズを弾くこと、作曲/キュレーション論、AACMについて(1,5000字) 僕がトミーカ・リードに注目し始めたのは彼女が自身のカルテットを結成して作品をリリースし始めたころだった。トミーカのチェロとメアリー・ハルヴァーソンのギターをフロントに、ジェイソン・レブキのベースとトマ・フジワラのドラムがリズムセクションを担うこのグループはそれぞれの演奏者の演奏は言うまでもないが、同時に楽曲の素晴らしさがこのグループを特別なものにしていた。 個々の演奏を最大限に反映する作りになっていて、それぞれの演奏のキャラクターがそのまま楽曲の個性に繋がっているのだが、特定の誰かが突出するのではなく、全員のアンサンブルが調和する構造にもなっていた。個々の即興演奏に関してもあくまで「楽曲」を演奏する中での即興である意図が伝わってくるもので、自身をアピールしつつも

    interview Tomeka Reid:チェロでジャズを弾くこと、作曲/キュレーション論、AACMについて(1,5000字)|柳樂光隆
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    hyougen 2024/06/08
  • interview Jasmin Godoy:クルビ・ダ・エスキーナと現代ジャズが融合した傑作『Show Me The Way』(8,000字)|柳樂光隆

    interview Jasmin Godoy:クルビ・ダ・エスキーナと現代ジャズが融合した傑作『Show Me The Way』(8,000字) 2023年、ジャスミン・ゴドイというアーティストの音源が送られてきた。それは聴いた瞬間引き込まれるような素晴らしい内容だった。ブラジルの音楽、特にミナスの音楽の要素はある。だが、それだけでなく、2010年代以降、グローバルに同時進行で進化し、流布していった現代のジャズとその周辺の要素もある。2010年代以降、ミナスのコミュニティからはアントニオ・ロウレイロらが出てきて、2010年代末、ブラジル北東部のペルナンブーコからアマーロ・フレイタスが出てきた。ブラジル人たちがどんどんオープンになり、世界中の音楽を取り込んでいったことで大きな注目を集めることになった。僕はなんとなくジャスミン・ゴドイもそんなひとりなのかなと思っていた。 Jasmin Godo

    interview Jasmin Godoy:クルビ・ダ・エスキーナと現代ジャズが融合した傑作『Show Me The Way』(8,000字)|柳樂光隆
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    hyougen 2024/05/10
  • interview Julian Lage:ビル・フリゼールとのコラボ、ジョン・ゾーンとの活動を語る(9,500字)|柳樂光隆

    interview Julian Lage:ビル・フリゼールとのコラボ、ジョン・ゾーンとの活動を語る(9,500字) 今や世界最高のジャズギタリストであり、最もオルタナティブなジャズギタリストであると言っても過言ではないジュリアン・ラージ。 彼はひたすらコンスタントに作品をリリースしているアーティストでもある。2010年以降は、ほぼ毎年のようにアルバムをリリースしていて、その間には様々な客演も行っていて、彼の参加作品は膨大な数になりつつある。自作ではリリースごとに新たな側面を見せてくれるようなチャレンジを行っているし、あれだけ個性的なプレイをするにも拘らずどの作品に加わっても絶大な貢献をしている。ジュリアン・ラージはとんでもない領域に到達している。 そんなジュリアンは2021年にブルーノートと契約してからすでに『Squint』『View With A Room』『The Layers』の3

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    hyougen 2023/11/07
  • interview Rafael Martini:そもそもブラジルの音楽はシステムから外れた方法で作られている|柳樂光隆

    2010年代初頭にブラジルの新世代が発見され、「ミナス新世代」として日に紹介された。そのきっかけはマルチ奏者のアントニオ・ロウレイロ。彼の音楽の新鮮さはすぐにリスナーの間に広がり、彼と共演しているブラジルの同世代の豊かな才能たちが芋づる式に発見されていった。彼らの何人かは来日も果たしたし、アレシャンドリ・アンドレスやハファエル・マルチニらに関しては日盤のリリースもあった。2010年代半ばには現代ジャズの最重要人物の一人でもあるギタリストのカート・ローゼンウィンケルが自作『Caipi』にアントニオ・ロウレイロ(とペドロ・マルチンス)を起用したこともあり、ジャズ・リスナーにとっても広く知られるようになった。 そんなアントニオ・ロウレイロらのコミュニティの中でも鍵盤奏者で作編曲家のハファエル・マルチニは中心人物のひとりと言っていい存在だった。グルーポ・ハモ『Ramo e a Liberdad

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    hyougen 2022/10/08
  • 21世紀のブラジリアン・ジャズ ディスクガイド with PLAYLIST|柳樂光隆

    では2010年ごろ、アントニオ・ロウレイロの1stが(音楽評論家の高橋健太郎により)発見されたことから徐々にブラジルの音楽シーンの新しい世代に注目が集まるようになった。そこからアントニオ・ロウレイロを中心としたミナスやサンパウロのミュージシャンたちによるシーンの存在が明らかになり、ハファエル・マルチニやフレデリコ・エリオドロら、個々のミュージシャンについても情報が届くようになっていった。 その後、アントニオ・ロウレイロやハファエル・マルチニらが日のレーベルからアルバムをリリースするようになったり、来日公演をするようになったり、ちょっとしたブームのような状況にもなり、小さな盛り上がりを見せた。くるり主催の京都音博に2015年にアントニオ・ロウレイロ、2017年にハファエル・マルチニ、アレシャンドリ・アンドレスが出演したのもそんな流れのひとつと見ていいだろう。 ちなみにその少し前に201

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    hyougen 2020/12/08
  • 21世紀のラテンジャズ / カリビアンジャズ ガイド by Jazz The New Chapter|柳樂光隆

    僕は『Jazz The New Chapter』というで、21世紀に入ってからカリブ海の国々やそれらの国からのアメリカやイギリスへの移民やその2世や3世が作る音楽が面白くなっていて、彼らの存在感もどんどん増していて、それがアメリカやイギリスのジャズ・シーンに影響を与えているという話を何度かしてきました。 個人的にラテンジャズ、カリビアンジャズについては少しづつまとめて整理していたので、多少のおまけをつけて公開します。 ミュージック・マガジン2020年6月号の「ニュー・スタンダード2020s 〜 カリビアン・ジャズ」と併せてどうぞ。 さっきも書いたように21世紀以降、ラテンジャズがとても面白くなってきて、僕はそこに強く関心を持ったわけですが、そもそもジャズは創成期からラテン要素を含んでいる音楽で、常に重要なトピックではありました。 ジャズが生まれたと言われるアメリカ南部のルイジアナには主に

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    hyougen 2020/06/30
  • interview Camila Meza"Ambar" - カミラ・メサ:政府が真っ先に攻撃するのはアーティスト。アーティストは真実を語ってしまうし、会話の口火を切ろうとするから。|柳樂光隆

    チリ出身のヴォーカリストでギタリストのカミラ・メサはダウンビート誌クリティック・ポール「Rising Star」にも名を連ねる現代ジャズ・シーン屈指のヴォーカリスト。何度も来日しているだけでなく、2019年にくるり主催の京都音楽博覧会に出演したこともあり、彼女のことをご存知の方も少なくないだろう。 これまでファビアン・アルマザンやライアン・ケバリーのアルバムで美しいアンサンブルの中の「楽器のひとつ」としてその声を響かせてきたカミラ・メサが自分自身のためにストリング・カルテットを加えたネクター・オーケストラを結成し、あの魅力的な声に色彩豊かなハーモニーを加え、素晴らしいアルバムを作り上げた。 そこには(軍事政権に支配された70年代にミュージシャンが抵抗の歌を歌い、今もその歌が歌い継がれている)南米の国チリ出身の彼女らしいやり方で社会へのメッセージを込めている。この『Ambar』はトランプ政権

    interview Camila Meza"Ambar" - カミラ・メサ:政府が真っ先に攻撃するのはアーティスト。アーティストは真実を語ってしまうし、会話の口火を切ろうとするから。|柳樂光隆
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    hyougen 2020/06/09
  • 「21世紀のシンガー・ソングライター・アルバム・ベスト 100」のための柳樂光隆の30選|柳樂光隆

    に掲載したベスト30をここにも転載しておきます。 企画の趣旨はこんな感じだそうです。 ギターやピアノを弾き語り、自身の内面や社会を歌ってきたシンガー・ソングライター。名作が多く生まれた70年代から現在までそのスタイルは不変ですが、一方で、機材やテクノロジーの発達に伴う制作環境の変化、ラップやオートチューンといった現代的な表現方法により、新たなシンガー・ソングライター像が誕生してもいます。今回はそうした動きが顕著になった21世紀以降の、海外の作品に限定。37人の選者が1位から30位まで順位づけしたものを編集部で集計しました。(ミュージック・マガジン 2019年6月号)2020年代への視点ということだったので個人的には ①リリース時にインパクトがあったもの ②2010年代にジャンルを超えて影響を与えているもの ③これから更に評価が進みそうなもの ④今の耳で聴いてもダサくないものといったあたりを

    「21世紀のシンガー・ソングライター・アルバム・ベスト 100」のための柳樂光隆の30選|柳樂光隆
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    hyougen 2019/05/21
  • 「00年代以前のクラブジャズ」と「00年以降の現代ジャズ」の違い|柳樂光隆

    ※記事が面白かったら投げ銭もしくはサポートをお願いします。 あなたのドネーションがこのnoteの次の記事を作る予算になります。 ■クラブジャズは?現代ジャズとは?すごくざっくり説明すると、 ◎クラブジャズ…「踊らせること」「クラブでDJによってプレイされること」を目的として作られた《ダンスミュージック》 ◎現代ジャズ…「ヒップホップやテクノに影響を受けているけど、踊らせることや、クラブでプレイされることを目的に作られてはいない《ジャズ》 だと僕は考えています。 つまり、クラブジャズは基的にクラブでDJが使えるかどうかな音楽なわけです。逆に現代ジャズは、踊れる曲もある(かもしれない)けど、必ずしもDJ的に使いやすい曲わけではないという違いは重要だと思います。 だから、クラブジャズに関してはDJが使えるかどうかみたいなすごくシンプルな部分が重要だし、そういったルールに基づいて曲が作られていま

    「00年代以前のクラブジャズ」と「00年以降の現代ジャズ」の違い|柳樂光隆
  • 「上原ひろみ 全米ビルボード・ジャズ・チャートで一位」について考えた海外/日本とか、洋楽/邦楽のこと|柳樂光隆

    1月ごろリリースされた上原ひろみ『Spark』が全米ビルボード・ジャズチャート1位記念ということでREAL SOUNDから依頼されて、上原ひろみについての論考的なものを初めて書きました。上原さんのすごさなんて、書けること山ほどあって、いくら字数があっても足りないので、要点をかいつまんで書いてみました。是非、読んでもらえると嬉しいです。 ➡ 上原ひろみはなぜ世界のトップ・プレイヤーであり続けるのか? そういえば、上原ひろみって、もともと日のジャズカルチャー的な聴き方に当てはまらない特殊なミュージシャンだ。誰の門下で、誰の影響下、誰の系譜、誰っぽいスタイルみたいなジャズマニア=ジャズ喫茶的なやり口で語りづらいピアニストだ。つまり、「現代の○○」とか「和製○○」とかそういう安易な煽りが使えない人。そのオリジナリティこそが成功の最大の要因なんだけど、そこが逆に日のジャズリスナー泣かせの要因にな

    「上原ひろみ 全米ビルボード・ジャズ・チャートで一位」について考えた海外/日本とか、洋楽/邦楽のこと|柳樂光隆
    hyougen
    hyougen 2016/04/26
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