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ブックマーク / sakstyle.hatenadiary.jp (10)

  • 『なぜ美』と『近代美学入門』への補足 - logical cypher scape2

    井奥陽子『近代美学入門』 - logical cypher scape2のブクマが急速に伸びている。ブログのTOP3に入ってきた。 https://hatenablog.com/ に載ったので多分そのせいだと思う。普段、見かけないidからのブクマが多いし。 (なお、ブクマが増えるとブログを書いている身としては単純に嬉しいが、伸びるかどうかはわりと偶然の産物でしかないことも分かっている) それはそれでいいとして、同日にデビット・ライスさんがやはり同書を取り上げた記事を書いているのに気付いた。 ここから直接アクセス流入しているわけではないが、はてなブックマークのホットエントリに並んだので相乗効果はあったのかもしれない。 タイトルにあるとおり、『近代美学入門』だけでなく『なぜ美を気にかけるのか』も一緒に扱われている。 『なぜ美』の方は、当ブログでは以下で取り上げた。 さて、ライスさんの記事は、

    『なぜ美』と『近代美学入門』への補足 - logical cypher scape2
    hyougen
    hyougen 2023/11/17
  • 井奥陽子『近代美学入門』 - logical cypher scape2

    タイトル通り、近代の美学についての入門書なのだが、とても良いだった。 「芸術」「芸術家」「美」「崇高」「ピクチャレスク」という概念ごとに章立てした5章構成のとなっているが、これらの概念は全て近代に成立した概念である。 「崇高」と「ピクチャレスク」はあまり一般的には馴染みのない言葉だろうが、「芸術」「芸術家」「美」といった、現在の我々にとってはわりとあって当たり前の概念が、歴史的にはそれほど古くない概念であることを示している。 常識だと思っていることを相対化して捉え直すことを目指していて、おおよそどの章も、古代ではどうだったか、近代でどのように成立していったのか、そして、現代的な論点についてどのように考えられるか、という構成をしている。 なので、確かに「近代の美学」についてのではあるのだが、美学一般の入門書という位置づけで読んでしまってよいと思う。 新書レベルの読みやすさ・分かりやすさ

    井奥陽子『近代美学入門』 - logical cypher scape2
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    hyougen 2023/11/13
  • セオドア・グレイシック(源河亨・木下頌子訳)『音楽の哲学入門』 - logical cypher scape2

    タイトルにある通り、音楽の哲学についての入門。ラウトレッジ社のThe Thinking in Actionシリーズの一冊で、原著タイトルはOn Musicであり、同シリーズには、ジジェク『信じるということ』、ドレイファス『インターネットについて』、キャロル『批評について』などがあるとのことである。 4つの章からなり、音楽と芸術、音楽とことば・知識、音楽と情動、音楽と超越性がそれぞれテーマになっている。 「音楽の哲学」の入門であるが、同時に音楽の話題を通して「哲学」に入門するともなっていて、関係する様々なトピックに触れられている。 哲学を進める上での方法としても参考になる。というのは、具体例が多く出てくる点だ。書の方針として、必ずクラシック音楽とそうではない音楽(ロックやジャズ、民族音楽など)の両方に触れるということを心掛けているらしいし、また、何らかの論点を説明する際に、音楽以外の具体

    セオドア・グレイシック(源河亨・木下頌子訳)『音楽の哲学入門』 - logical cypher scape2
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    hyougen 2019/05/06
  • モリス・ワイツ「美学における理論の役割」、ケンダル・ウォルトン「芸術のカテゴリー」 - logical cypher scape2

    それぞれ、若手美学研究者である松永さんと森さんが翻訳をnoteで公開して、話題になっているもの。 M. Weitz「美学における理論の役割」|まつなが|note K. Walton「芸術のカテゴリー」|morinorihide|note これらの論文については、上記noteにおいて、訳者自身によって要約が書かれているので、要約はそちらに任せたいところ。 「芸術のカテゴリー」についてはさらに ウォルトンのCategories of Artを全訳しました。補足と解説。 - 昆虫亀 Kendall Wallton「芸術のカテゴリー」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ 上が訳者あとがき的な解説となっており、ウォルトンに対する反論とそれへの再反論の紹介と、Laetzによる解説の紹介 下は、高田さんによる解説記事 モリス・ワイツ「美学における理論の役割」 読んでみたら、結構短い論文だった。 芸術

    モリス・ワイツ「美学における理論の役割」、ケンダル・ウォルトン「芸術のカテゴリー」 - logical cypher scape2
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    hyougen 2015/06/22
  • E.H.ゴンブリッチ『美術の物語』 - logical cypher scape2

    西洋美術史の入門として名高い1冊 実際、読みやすく丁寧でとても面白い 読み継がれる名著とはこういうものか、と また、自分は美術については19,20世紀くらいしか知らなかったので、改めて通史を読んで勉強になった。 このの特徴はいくつかあるが 「物語」としては、それぞれの時代や流派において美術の目的がなんであったか、ということを追いかける作りになっている。 ともすると、絵画などのよしあし・巧拙を「実物そっくりかどうか」で判断してしまうことがあるけれど、そもそも実物そっくりであることが美術の目的でなかった時代もある。というか、このを読んでいると、おおむね交互に現れてくるという感じがある。 エジプトがスタートに置かれているが*1、エジプトでは「見たまま」ではなく「知っている」ことが描かれた。目とはこういうもの、顔の輪郭はこういうもの、足はこういうものといった知識に従って描かれていた。 その後、

  • 名古屋哲学フォーラム2013秋「美を語る資格があるのは誰だ? 心理学(脳神経美学) vs 科学哲学 vs 分析美学」 - logical cypher scape2

    日時: 2013年9月14日(土曜日)午後1時半より 会場: 南山大学名古屋キャンパスR棟R32教室 行ってきました。 名古屋は2度目。とはいえ、1度目は、他のところへの旅行の途中で立ち寄って名古屋駅の近くで昼べただけ。今回も、南山大学直行して、またすぐ帰るみたいな感じで、全然名古屋観光とかしてませんがw 地下鉄名古屋大学駅が、当に名古屋大学ど真ん中みたいなところにあるのにびっくりした*1。で、名古屋大から坂を登ったところに、南山大がある。歩いて10分かからないくらいのところで、この2つの大学がこんな近くにあるというのも知らなかった。 名古屋哲学フォーラム2013実況・感想など - Togetter [トゥギャッター] 当日の実況の様子など、kasuhoさんがとぅぎゃってくれています。 ってなわけで、以下大雑把ながらどんなんだったか要約したり、感想だったり あくまでも僕がメモったもの

    名古屋哲学フォーラム2013秋「美を語る資格があるのは誰だ? 心理学(脳神経美学) vs 科学哲学 vs 分析美学」 - logical cypher scape2
  • アメリカン・ポップ・アート展 - logical cypher scape2

    新美術館 ポップアートは、なんか分かったつもりでいたけど、実際見てみたら全然そんなことなかった まず、ロバート・ラウシェンバーグ 初っぱなから圧倒された。 何が、とはいわく言い難いのだけど、この前、宮下誠の『20世紀絵画』で具象と抽象について読んだあとだったこともあって、「これは一体何だ?」となった。 既存のイメージをコラージュして、リトグラフとして刷っている。その個々のイメージはもちろん具象だけれど、それらのコラージュによって作り上げられる画面は抽象画的である。 ラウシェンバーグを始めとするネオダダあるいはポップアートというのは、抽象表現主義への一種のアンチとして位置づけられるらしいけど、しかしラウシェンバーグの筆致はどこか抽象表現主義的な感じもする。そう、ただコラージュしているわけではなくて、筆致がある(表現主義的なところがあると解説されていた気がする)。 《突破2》、《霧雨》、《守護

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    hyougen
    hyougen 2013/09/08
  • 『ウィトゲンシュタイン』 - logical cypher scape2

    KAWADE道の手帖シリーズ。 鬼界彰夫、永井均、飯田隆、岡賢吾による「レクチャー」、野家啓一のエッセイ、戸田山和久、大家雄裕、田中久美子、小山明、前田泰樹、山田啓一による論考、著作解題、さらに、大森荘蔵、藤隆志、坂井秀寿、奥雅博がかつて書いた文章も「日のウィトゲンシュタイン受容史」として掲載されている。 以下、おもしろかったものをいくつかピックアップ 永井「たまたまの孤独」 「私」とか「今」とか「神」とかの話は、まあいつもの永井均だと思う(1冊くらいしか読んでないので断言はできないが) で、言語ゲームが「たまたまの孤独」であるというあたりがよかった。『ウィトゲンシュタインはこう考えた』を読んだ時、数を数え上げるところの話を読んで、これが「他者」って奴かーとか思ったことがあって、それと重なった。そこにグルーのパラドックスを絡めてるのも面白かった。 言語ゲームっていうのは、単なる偶然性

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  • 『ゼロ年代日本SFベスト集成<F> 逃げゆく物語の話』大森望編 - logical cypher scape2

    『ゼロ年代日SFベスト集成<S> ぼくの、マシン』大森望編 - logical cypher scapeに引き続き こちらは、死にまつわる話が多かったように思える。 個人的な話だけど、最近時々ふとした拍子に死の恐怖に襲われたりして辛い。念のため、別に病気だったりなんだったりするわけではない。ただ、なんか唐突に、自分もいつか必ず死ぬということに気付いてしまった。ウフコックはそのことに気付いて生を知ったらしいが。 以下、各編のあらすじ。基的に自分の備忘録なので、ネタバレしまくり。 恩田陸「夕飯は七時」 <すこし、ふしぎ>短編 幼い兄妹は、知らぬ単語を聞くと、頭の中に思い浮かんだイメージが具現化してしまう体質。胡椒をふりかけくしゃみをすると、具現化したものは消えるので、かろうじて周囲の人には知られずに過ごしている。 三崎亜記「彼女の痕跡展」 恋人がいた記憶がないのに、恋人を失ったという感覚に

    『ゼロ年代日本SFベスト集成<F> 逃げゆく物語の話』大森望編 - logical cypher scape2
  • 『社会は存在しない』限界小説研究会編 - logical cypher scape2

    サブタイトルに「セカイ系文化論」とある通り、セカイ系評論集となっている。 「何を今更セカイ系なんて」と思う向きにも、ちょっと立ち止まってもらいたい。 これは、セカイ系と称されてきた作品について論じる、というわけではなく、セカイ系という概念がどこまで使えるのかということをテストしているなのである。 では、何故そのようにしてセカイ系という概念をテストしなければならないのか。 そもそもセカイ系というのは、90年代後半からゼロ年代初頭にかけてのオタク的作品に見られた傾向に対して、揶揄的につけられた呼称である。ところが、ある時期までには軽蔑的なニュアンスはある程度まで薄れて、いわゆる「時代のリアル」を映している言葉として使われるようになっていった。 例えば、印象派という言葉もまた、揶揄的につけられた呼称であった。 セカイ系を印象派に喩えてみる、というのは、「何故今更セカイ系なのか」という問いに答え

    『社会は存在しない』限界小説研究会編 - logical cypher scape2
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