・美を脳から考える―芸術への生物学的探検 科学書としては古い本(邦訳版で2000年の出版)なのだが、素晴らしい内容で感動した。こういう本をずっと探していた。 世界の脳科学者、文化人類学者、認知科学者らが各分野の知見をもちより、脳と美しさの関係性をひもとく。「美の生物学的基礎」「韻律詩、脳、そして時間」「音楽におけるテンポ比率 ~普遍的なものだろうか~」「ダンス、うつろいゆく芸術形式 -行動としての美」「視覚的な美と生理的制約」「美の情報処理」「大脳皮質の非対称性と美的経験」「美しさは見る者の視野の各半分で異なっているかもしれない。」の8本の小論文から構成される。各論文は非連続で分析の枠組みも異なるが、そこに見出されるメタレベルの共通性に驚く。 この本の全体を通しての共通性としては、脳を活性化させる「スーパーサイン」のような構造が見いだせるということだろう。 「私たちの知覚は秩序を求め、それ