あるとき、きいた話。 貧者の銀行として知られるグラミン銀行が 銀行として成立している秘密は、「5人」に あるらしい。貧しい女性に資金を貸し出すときは、 5人の共同責任を取れるチームを対象とするのだ そうだ。ポイントは「5人」だそうだ。 考えてみると、「5人」というのは、言い得て妙だ。 まず良い組織をつくるとき、偶数というのはむずかしい。 なにか対立になったとき、割り切れてしまってどうにも 収拾がつかなくなる。 では7人はどうか。3対4にはなるが、なんとも7人というのは、 全体の把握がむずかしい。映画 「七人の侍」も、基本的には 個人の集団だったし、最後の志村喬のセリフも「今回の負け戦 だった」。 では3人は?2対1になったとき、いかんせん、一人は孤独だ。 それに会話をするとき、休んでいる一人には、すぐ順番が 回ってきてせわしない。 それに引き換え、5人はちょう