人間の歴史は、有害生物との戦いの歴史でもある。 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが率いるビル&メリンダ・ゲイツ財団は2014年、「地球上の人間は1年間に、どの動物にどれだけ殺されているか」とのレポートを公開した。 そのランキングのトップは「カ」だった。カはマラリアやデング熱などを媒介し、年間72万5000人もの人間が命を落としているという。続いてヘビは5万人、噛まれて狂犬病などを発症するイヌは2万5000人の人類の命を奪っている。ちなみにライオンに襲われて殺される人間の数はわずか100人、サメはわずか10人である。 日本ではあまり馴染みがないが、アフリカ原産の吸血性のハエ、ツェツェバエによる感染症では年間1万人が死亡している。近年では、ヒアリの脅威が国内で報道された。 意外にも、小さな昆虫が人類の脅威になっているのである。 こうした害虫から、人間社会を守っているのが、殺虫剤を手がけるメー