日経サイエンス編集部で 理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター の上田泰巳さんの話を伺う。 上田さんのご専門は、システム生物学、 特に体内時計。 「環境に存在している何らかの情報、 パターンが、生体内に取り込まれていく プロセスが存在し、その際に起こっていることは 脳の認識のプロセスに似ている」 上田さんとの話の中で、そのような 描像が浮かんできた。 細胞レベルの時計にかかわっている 遺伝子として、約20の要素が同定 されているとのこと。 「24時間というタイムスケールを 生化学反応系で実現するのは大変 なのではないか?」 と伺ったところ、 そのためにターンオーバーの遅い 酵素が見つかっているということ。 興味深いのは、通常の24時間の 生体時計の場合でも、gene regulation が関与しているということ。 朝型、昼型、夜型の発現パターンが あり、それぞれ、ある特定のシークエ