こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 災害関連の本を何冊かまとめ読みしたところ、すごい本を見つけてしまいました。2010年に出てたのに、これまで存在すら知らなかったのはうかつでした。なので遅ればせながら、必読のおすすめ本として紹介します。興味があれば明日にでも、書店か図書館で探してください。 これまで何度も目に、耳にしてきたであろうこの言葉。 「日本では災害が起きたときも略奪や暴行などは起きず、みんなで助けあう。この日本の素晴らしさを世界が賞賛した」 私もなかば信じていたのですが、残念ながら、どうやらこれはとんでもないカン違いだったようなんです。それがあきらかになるのが、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』(高月園子訳・亜紀書房)。 この本はおもに南北アメリカで起きた災害後の人々の行動について詳しく検証しています。じつはアメリカでも、災害時には利他主義を最優先する一般市民によって助け