「2017年4月1日に消費税を10%に引き上げる」という予定が消費を低迷させている 消費マインドが一向に回復していない 今年3月、2015年10―12月期のGDP(国内総生産)が発表された。GDP成長率は一次速報値で前期比マイナス0・4%(実質、季節調整済)、二次速報値では同マイナス0・3%。多くのエコノミストがマイナス成長を予想していたので、この数字はある程度、予想どおりであった。 だが、私を含め大方のエコノミストが衝撃を受けたのが、個人消費の下落である。実質GDP成長率の寄与度を見ると、一次速報でも二次速報でも個人消費が前期比マイナス0・5%となり、同四半期GDPにおける最大の下落要因となった。 今年3月11日に開催された経済財政諮問会議の第3回会議資料には、「記録的な暖冬により冬物衣料品が落ち込むなど個人消費が前期比▲0・9%となったことなどが背景」という政府の見解が記されたが、消費