好きな人がいる。 私は好きだと思った。 だから自分のきもちを伝えた。 彼は「いいよ」といってくれた。 とてもうれしかった。 私が彼を思うように、彼もまた私を思ってくれてるんだ!と思った。 これだけたくさんの人間がいる中で同じ思いを重ねられる、ということは、奇跡に近いと私は思うし、これ以上のしあわせってないとも思う。 だけど、私は思い違いをしていた。 私が彼を思うように、彼は私を思ってはいない。 彼は「いいよ」といったけれど、ほんとうに私のことがすきかといったら、それは違う。 ことばのはしばしに、それを感じる。 要するに、私は「都合のいい人」。 私は、彼にとっては笑っちゃうほど軽い存在なのだ。 会いたいと思うのも、さみしいと思うのも、いつも私だった。 不安で仕方なくて、会えない時間がほんとうに長く感じられた。 少しでも「好き」の比重がどちらかに傾いたなら、傾いた方は負けだ。 恋愛に勝ち負けな