住田町を訪問 東北新幹線・水沢江刺駅から東へ車で40分ほど、気仙川に沿って国道を進むと、四方を山に囲まれた平坦地が広がる。そこに山の稜線を背景に建つ純木造建築物がこの町の役場庁舎だ。近づくと「森林・林業日本一の町づくり 住田町」という看板が視界に入る。庁舎は外観のみならず細部にわたり木材が多く用いられており、高い耐震性と耐熱性を実現している。中に入ると木の香りにつつまれ、ここが林業の町であることを実感する。 2018年8月、全国町村会が主催する地域農政未来塾(塾長:生源寺眞一福島大学教授)の皆川芳嗣運営委員長(㈱農林中金総合研究所理事長)が岩手県住田町を訪問した。同塾修了時の研究論文で最優秀賞を獲得した同町職員の松田誉至氏(農政課)を訪ね、塾で学んだ成果やその後の取組などについて伺うためである。 地域農政未来塾は、地域の課題に対して分析や問題提起、行動できる町村職員を育成することを目的に2