KADOKAWAが『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』(アビゲイル・シュライアー著、岩波明監修、村山美雪、高橋知子、寺尾まち子訳)の刊行中止を発表した。 当事者の一人として残念に思うし、危機感も覚える。そして同様な考えを持つ当事者もけして少なくないと考えている。 『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』 確かにこのタイトルは誤解を招く。しかし一方で、欧米で若者のデトランス(性別移行のための手術を受けた後、後悔して元の性別に戻ること)が社会問題化している現状を鑑みると、このタイトルのような側面が全くないとは言い切れないのではないか。 思春期に自分の身体が男性化・女性化していくことに抵抗を感じるのはトランスジェンダーに限らない。その抵抗感を「性別違和」と錯覚してしまう可能性は充分にある。あるいは「仲良しの友達がトランスジェ