夏のバカンスシーズンを迎えているヨーロッパで大きな列車事故が相次いで発生しました。パリ郊外で7月12日に発生した特急列車の脱線事故では7人が死亡、そのおよそ2週間後の7月24日にはスペイン北西部で高速鉄道が脱線し79人が死亡する大惨事となりました。背景の一つとして指摘されているのが、日本の新幹線に当たる高速鉄道網の急速な拡大です。ヨーロッパ総局の香月記者が解説します。 相次ぐ鉄道事故 7月12日。 パリの南およそ25キロにある国鉄の駅、ブレティニ・スール・オルジュでパリからフランス中部のリモージュに向かっていた在来線の特急列車が脱線しました。一部の車両がホームに乗り上げ、乗客3人とホームにいた4人の合わせて7人が死亡、30人がけがをしました。 私も現場で取材をしましたが、多くの乗客がバカンスへ行く途中に思いも寄らない事故に遭遇し、ぼう然として、列車が不通になった駅の付近で座り込んでいま