車を運転していればブレーキを踏むということは、誰もが何百回、何千回と日常的に行っている行為だろう。しかし、ブレーキを目一杯「強く踏み込む」機会は、そう訪れるわけではない。 昨今、高齢ドライバーが関わる事故が多発しているが、「ブレーキを強く踏んだ」と思っていても、実際には急ブレーキをできていない場合が多く、一般ドライバーにとって車を最短距離で止めることは思っている以上に難しい。 急ブレーキを掛けるには、どれくらいの「踏力」が必要で、どのような「踏み方」が正しいのか。“車を止めるプロ”でもあるレーシングドライバーで自動車評論家の松田秀士氏が解説する。 文:松田秀士 写真:Adobe Stock、HONDA、RedBull Content Pool 多くのドライバーはブレーキを「使いきれていない」 日本車で初めて4輪すべてにABSを搭載した2代目プレリュード(1982年登場)。現代ではABSの普