第32回中国地区英語教育学会山口研究大会 口頭発表資料 日時:2001年9月21日(金) 場所:山口大学教育学部 柳瀬陽介 (広島大学大学院教育学研究科) 要約:この発表は、応用言語学における言語使用の説明と記述が、二分法的に述べるなら、チョムスキーによって代表されるような自然科学的なものではありえず、ウィトゲンシュタインあるいはサールによって代表される哲学的なものであることを論証する。加えて、いくつかの現実の応用言語学研究をその論証の証拠として示すことによって、応用言語学者は自然科学的説明理論としてではなく「比較の対象」としてモデルを提示したり妥当化をしたりしていることを例証する。最後に言語使用に関する応用言語学研究の重要課題として志向性の問題が残されていることを指摘する。 1 言語使用に関するチョムスキーの問題提起 >近年チョムスキーは、言語知識のみならず、言語使用の自然科学的アプロー