国立情報学研究所(NII)が4月から、国内の学術論文情報300万件のデータベース「CiNii」(サイニイ)をGoogle検索対象にした。同時に、データベースも検索エンジンが見つけやすい形に変更。一般ユーザーが論文情報にアクセスしやすくした(関連記事参照)。 論文検索エンジン「Google Scholar」のコンテンツを整備・充実させたいGoogleの思惑と、論文情報へのアクセスを増やしたいNIIの思惑が一致して実現した。「Googleにすべてを持っていかれるのでは」――CiNiiに論文を提供している学会の一部にはこう心配する声もあったというが、NIIが説得を重ね、構想から約1年後に公開にこぎつけた。 「『今すぐ無料で情報が欲しい』というWebを中心にした生活スタイルと、書籍や論文という“知識の体系”とのすき間を埋めてきたい」と、NII助教の大向一輝氏は狙いを語る。 「なかったこと」になって
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