「牛丼一筋」吉野家から牛丼が消えた日 「振り返ると、BSE(牛海綿状脳症)のときの取り組みも、その前後に二回、大きな改革を行いましたが、やはり活きたのは、吉野家の組織風土・体質でした」と吉野家会長の安部修仁氏は言う。 2003年12月24日、アメリカでBSEが発生し、米国から牛肉の輸入が全面停止となった、と同時に、当時吉野家の社長だった安部修仁氏は牛肉の在庫かぎりで販売を停止することを発表した。 「BSEがアメリカで出たのは2003年の12月ですが、日本ではその2年前の2001年にBSEが出ていました。当時、吉野家の牛丼の牛肉はほぼ100%アメリカ産でした。BSEが欧州で発生して広がった1980年代後半から『もしアメリカでBSEが出たらどうするか』というリスクヘッジの調達を目指して、三井物産の最も優れた肉のエキスパートをスカウトし、米産以外のビーフでの牛丼研究プロジェクトを発足し、オージー