これまでの仕事には、男性に関連づけられる典型的な特徴や行動が報われ、それが標準的な慣習と見なされる「男性的デフォルト」が蔓延していた。しかし、パンデミックによる働き方の変化により、ジェンダーバイアスに則った働き方は最善ではないことが判明している。筆者らは、いまこそリーダーは組織の男性的デフォルトを見直し、あらゆるジェンダーを受け入れる組織文化の構築に着手すべきと説く。本稿ではリーダーが組織の状況を把握する方法、改善の手法、改善実施時の課題について解説する。 仕事が男性的なものではなくなった この2年あまり、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが私たちの働き方を変えた。勤務時間はよりフレキシブルになり、ズームを活用することで互いの仕事を中断することも減った。子どもやペットが画面の後ろに登場し、同僚は「本棚の写真立てはあなたの祖父母ですか」などと個人的な質問をするようになり、仕事帰りに同僚と