破傷風(はしょうふう、tetanus)は、破傷風菌を病原体とする人獣共通感染症の一つ。病原菌が産生する神経毒による急性中毒である[1]。 概要[編集] 破傷風は、破傷風菌と呼ばれる細菌が作る毒素で発症する感染症、病気。破傷風菌は、酸素があると増えることのできない嫌気性菌であるため、芽胞という固い殻に包まれた状態で、土などの空気に触れない環境に存在している。そのため、傷がありながら土に触れると、破傷風菌芽胞が傷口に入り込み、体内という嫌気状態で菌が増殖し、毒素を出す。破傷風菌による毒素は、神経を抑制する機能の神経に作用し、神経を「過活動の状態」にする。これが原因で、人体に筋肉のけいれんや、こわばりがおこる[2]。 疫学[編集] 集団感染によるアウトブレイクは起きない[3]。日本では感染症法施行規則で5類感染症全数把握疾患に定められており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出る。年間