国と都道府県が性犯罪被害者の救済を目的に実施する公費負担制度で、強姦の被害者に対する人工中絶費用の支給に、大阪、京都、和歌山など16道府県が財政難などを理由に上限額を設けていることが16日、警察庁への取材で分かった。 警察庁は被害者への中絶費用の上限を撤廃するよう求めている。上限額を超えた分は被害者が支払わなければならず、精神的、肉体的負担とともに経済的な負担も強いられる。救済に地域差が生じている実態が浮かび上がった。 性犯罪被害者への公費負担制度は平成18年度に始まり、国と都道府県が折半して医療費を支給。一般的には30~40万円かかるといい、上限額がある16道府県で、最低は9万円(山形県)、最多は17万5千円の和歌山県(いずれも国の負担を含む)。上限を設けていない31都県では全額が支給される。