岸田文雄首相の後任を決める自民党総裁選は27日、党本部で投開票され、新総裁に石破茂元幹事長(67)を選出した。1回目の投票で高市早苗経済安全保障担当相(63)が1位、石破氏は2位だったが、上位2人による決選投票で逆転し、高市氏を破った。10月1日召集の臨時国会で、第102代首相に指名され、新内閣を発足させる。(長崎高大) 自民党総裁選後の両院議員総会で整列し、笑顔を見せる(左から)高市経済安保相、岸田首相、石破茂新総裁、林官房長官、上川陽子外相=27日、東京・永田町の党本部で
岸田文雄内閣の総辞職に伴いデジタル大臣を退任した河野太郎氏は1日の会見で、自身が推し進めてきたマイナ保険証の政策の今後の展開を問われ、「特に変わることはないと思っている」と述べた。(マイナ保険証取材班)
「特定の人がデマの潮流を生み出していた」 ネットにはびこるヘイトの真偽を検証し、立ち向かう動きを追った 埼玉県南部の川口市周辺で約2000人が暮らすとされるクルド人へのデマやヘイトが目立つようになって1年余り。その多くがまき散らされているのが、これまでも深刻なレイシズムの温床になってきたネット空間だ。「放っておけばデマが事実だと誤解されかねない」と、ネットをパトロールする人たちがいる。現状を追った。(森本智之)
【ソウル=木下大資】通信アプリLINE(ライン)を運営するLINEヤフーに対し、総務省が韓国IT大手ネイバーとの資本関係見直しを求めたことに、韓国メディアが一斉に批判的な報道を展開している。自国企業の育てたサービスが日本に「強奪される」との受け止めが広がり、野党の一部では過去の植民地支配と重ねて日本への反感をあおる動きもある。 最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表は11日、自身の交流サイト(SNS)で松本剛明総務相が伊藤博文の子孫だと指摘する報道を引用し、「韓国のサイバー領土・LINEの侵奪」などと書き込んで尹錫悦(ユンソンニョル)政権の対応が消極的だと批判した。伊藤博文は初代韓国統監を務め、韓国では否定的なイメージが強い。祖国革新党の曺国(チョグク)代表は13日、LINE問題に抗議するとして島根県竹島(韓国名・独島=トクト)を訪問した。 この問題では昨年、LINE利用者らの
LGBT法案、対象狭める方向で調整 「差別は許されない」→「不当な差別は許されない」に 自民・保守派の異論で理念後退 性的少数者(LGBTQ)の人権保障法制に関し、自民党は、超党派議員連盟がまとめた理解増進法案の「差別は許されない」という表現を「不当な差別は許されない」に見直すなどした独自の法案を5月前半にも国会提出する方向で調整に入った。先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を控え、議長国として多様性を尊重する社会の実現に前向きな姿勢を示す狙い。だが、自民を含む超党派で合意した法案より保護すべき対象を実質的に狭め、理念を後退させる内容で、当事者や野党の反発は必至だ。 修正を検討しているのは、超党派の法案の目的や理念に盛り込まれた「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」という表現。2021年の東京五輪・パラリンピック開催に先立つ自民党の法案審査では、保守系議員から「差別の内容が曖
自衛隊と米軍が今月、3万6000人を投入して実施した大規模共同演習「キーン・ソード23」。精密誘導弾などの実弾射撃を行い、長射程化で敵基地攻撃能力への転用を念頭に置く「12式地対艦ミサイル」発射準備の手順も確認した。見据えるのは、台湾侵攻も辞さずに軍拡に突き進む中国だ。 「日米の戦力を向上させ、よりダイナミックな能力と可能性を追求し続けることが日米同盟に貢献する」。海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)から自衛隊機で1時間半ほど飛行した先の太平洋上を進む海自最大の護衛艦「いずも」の艦内。在日米軍トップのラップ司令官は、自衛隊の山崎幸二統合幕僚長と並んだ記者会見で力説した。 ラップ氏の言う「ダイナミックな能力と可能性」が指すのは、ステルス戦闘機F35Bが離着陸できるよう事実上の空母化への改修が進むいずもの評価。だが、言外には日本の敵基地攻撃能力保有への期待もにじむ。いずもからF35Bが発進
母親と歩いていた女児を連れ去ろうとしたとして、警視庁捜査一課は9日、身代金目的拐(かい)取未遂と強盗未遂の疑いで、東京都小金井市、アルバイト小田原春輝容疑者(23)を逮捕した。容疑を一部否認している。 逮捕容疑では、1月31日午前11時ごろ、小金井市梶野町4の路上で、歩いていた近所の女児(3つ)の左腕をつかみ、一緒にいた母親(43)に「子どもの命、奪われたくなかったら全財産を寄こせ」などと言って脅したが、母親が抵抗したため、何も奪わずに逃走したとされる。
8月、ファッション誌「ニコラ」への署名を集める団体「as I am」を立ち上げた早稲田大4年の和香子さん(22)が少女時代を振り返る。雑誌で紹介されるファッションを見て楽しんでいたが、同世代のモデルは判で押したように細身で色白。「太って見えると嫌だから、ミニスカートやノースリーブは着られなくなった」 以来、容姿へのコンプレックスを持ち続けていたところ昨年、ある雑誌で「ボディポジティブ」という言葉と出合い、意識が変わった。理想の体形を固定化するのではなく、ありのままの美しさを認めようという考え方で、欧米のファッションシーンに遅れ、数年前から日本でも叫ばれるようになった。「プラスサイズモデル」と呼ばれる体の大きなモデルの活躍に影響され「私の見た目がダメなのではなく、そう思い込んでいただけ」と気付いた。
菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否したことに抗議する集会が30日、国会内で開かれ、学者や国会議員、市民ら約300人(主催者発表)が参加した。青山学院大の羽場久美子教授は、6人が政府の安全保障政策などに反対の立場を明らかにしていた点を踏まえ「権力に批判的であり続けなければ学問ではない」と訴えた。
新型コロナウイルスに関する日米欧6カ国の国際世論調査で、自国のリーダーがコロナ危機へ適切に対応できているかを聞いたところ、日本は新型コロナ感染症の死者数が米欧に比べ少ないにもかかわらず、安倍晋三首相の国民からの評価が6カ国で最も低かった。一方で経済的な不安を感じている人の割合は、日本が最も高かった。(村上一樹) 調査は、米独のPR戦略会社「ケクストCNC」が7月10~15日に、日本、米国、英国、ドイツ、スウェーデン、フランスで1000人ずつ、計6000人を対象に行った。 自国リーダーのコロナ危機対応の質問では、「うまく対応できている」と答えた人の割合から「対応できていない」と答えた人の割合を引いて数値化した。安倍首相はマイナス34ポイントだった。次に低かったのはトランプ米大統領でマイナス21ポイント。6カ国で唯一、肯定的な評価を受けたドイツのメルケル首相はプラス42ポイントだった。
「韓国なんて要らない」とうたう週刊誌やテレビの報道、慰安婦をモチーフとした少女像を巡る展示の中止…。はびこる「嫌韓」の空気に眉をひそめる人がいる。水戸市の高鍋あいさん(91)。太平洋戦争末期、陸軍の工場に動員され、朝鮮人徴用工と共に働いた。「あの頃に引き戻されるよう」と薄気味悪さを感じている。(安藤恭子) ◆怒鳴られ、殴られ、見下され… 高鍋さんは新潟県の高等女学校を卒業した一九四四年春、戦時下の労働力不足を補うために創設された「女子挺身隊」に入隊。十七歳で旧日本陸軍の工場「相模陸軍造兵廠」(相模原市)に動員され、戦車の計器組み立てなどを担った。 その年の冬、数十人の朝鮮人徴用工がやってきた。別棟で働き、監督役の軍人から怒鳴られ、日常的に殴られていた。話す機会はなかったが、夜中まで黙々と働く姿が印象に残った。 他の男性工員らも「朝鮮野郎」と見下していた。ある日、一人の工員が高鍋さんに「やつ
「表現の不自由展・その後」で展示される「平和の少女像」2点。ミニチュア(右)は2012年、東京都美術館から撤去された=2015年、実行委員の岡本有佳さん提供 政治色が強いなどの批判を受け、かつて美術館から撤去されたり公開中止になったりした芸術作品を集めた展覧会「表現の不自由展・その後」が八月一日から、愛知県美術館(名古屋・栄)で始まる。美術評論家や編集者ら有志でつくる実行委員会が二〇一五年に企画し、東京都内のギャラリーで開いた展覧会を受けた。今回は「その後」として、一五年以降に規制された作品を加えた。十月十四日まで。 アートの祭典「あいちトリエンナーレ2019」の企画の一つ。さいたま市の公民館だよりに掲載を拒否された俳句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」や、旧日本軍の慰安婦を象徴する「平和の少女像」など十七組の出品が決まった。
優れたテレビ作品などに贈られる文化庁芸術祭賞の昨年度の審査過程で、国連平和維持活動(PKO)を検証したNHKの番組に対し、事務局の文化庁職員が「国を批判するような番組を賞に選ぶのはいかがなものか」といった趣旨の発言をしていたことが、複数の審査委員と文化庁への取材で分かった。南スーダンPKO派遣部隊に安全保障関連法に基づく新任務が付与された直後の時期で、複数の審査委員から「政権を忖度(そんたく)したとも取れる異例の発言だ」と批判の声が上がる。 (土門哲雄) 作品はNHK大阪放送局の「NHKスペシャル ある文民警察官の死~カンボジアPKO23年目の告白」。一九九三年、岡山県警の高田晴行さん=当時(33)=が武装ゲリラに襲撃され死亡した事件を、隊員らの証言や手記などから丹念に検証した。陸上自衛隊が初めて海外派遣されたカンボジアPKOの際に、現地がいかに危険だったかを浮き彫りにした。 芸術祭賞の昨
共同通信社は二十九日、憲法施行七十年を前に郵送方式で実施した世論調査の結果をまとめた。日本が戦後、海外で武力行使しなかった理由について、戦争放棄や戦力の不保持を定めた「憲法九条があったからだ」とする回答は75%に上った。九条の存在とは「関係ない」は23%だった。九条改正を巡っては必要49%、必要ない47%で拮抗(きっこう)した。安倍晋三首相の下での改憲に51%が反対し、賛成は45%だった。 北朝鮮情勢の緊迫化などを踏まえ、九条改正の必要性では賛否が二分する一方、戦後九条が果たしてきた役割は国民に浸透している現状が明確になった。改憲を「必要」「どちらかといえば必要」とする改憲派は計60%。改憲は必要ないとする護憲派は「どちらかといえば」を含めて37%だった。
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