図書館施設の老朽化に伴い、県と大村市が共同で進めている「県立・大村市立一体型図書館」(仮称)の建設計画について、県は、佐藤総合計画(東京)とINTERMEDIA(島原市)の共同企業体(JV)に設計委託することを明らかにし、同JVが作成したイメージ図を公表した。近く契約を結び、2018年度の開業を目指す。(網本健二郎) 県によると、計画は、長崎市にある現在の県立図書館を郷土資料センター化した上で、図書館機能を大村市へ移すもので、公募された設計には6社が応募。有識者10人がデザイン性や環境への配慮などの評価基準を採点した上で、今月14日に公開審査を実施。発表内容やヒアリングを行った結果、同JVが選ばれた。 同JVが提案したイメージ図の基本概念は、「地・水・光・風・緑」と共生する施設。花壇をイメージした一枚屋根が特徴で、大村湾と多良岳の間にある施設として調和を図ったという。免震構造を用い、防災機
南魚沼市図書館がJR六日町駅前のショッピングセンター「ララ」に移転し、新たにオープンして6月で1周年を迎えた。好立地であることに加え、開館日数や開館時間を増やすなど利便性を高めた結果、年間の延べ来館者数は旧図書館時代の6倍に急増した。 新図書館は昨年6月1日、同駅から徒歩10分の市民会館2階から移転。延べ床面積は旧図書館の約9倍の約2500平方メートル。蔵書数は約1・5倍の約10万8000冊でスタートし、18万冊を目指している。 移転に伴い、週1日だった休館日を原則として月1日に減らし、平日の閉館時刻を午後8時と遅くした。また、学生向けに勉強スペースを130席設け、試験期間中は50席を追加している。 その結果、旧図書館の来館者は年間延べ約4万6000~4万9000人で推移していたが、新図書館では5月31日までの1年間で、延べ28万9340人が訪れた。 14日には開館1周年を記念した式典やジ
現在は特例でしか認められていない小中一貫校を制度化する改正学校教育法などが17日午前の参院本会議で、自民、公明、民主、維新などの賛成多数で可決、成立した。 義務教育の9年間を「6年・3年」にとらわれずに教えることが可能な「義務教育学校」を新設し、各自治体などの判断で学年の区切りを「4・3・2」制や「5・4」制などに変更できる。2016年4月から施行される。 改正法では、「義務教育学校」を小中学校などと同じ「学校」として明記。校長は1人で、教員は原則として小中両方の免許が必要で、校舎は同じ敷地内でも離れていても構わない。 学年の区切りを柔軟に変更することで、中学の内容を小学校段階で先取りして教えるなどの取り組みが可能になる。自治体や民間の学校法人の判断で小中一貫校が設置できるようになり、生徒数の減少で学校機能の低下が懸念される過疎地域では、設置が加速する可能性がある。 教育現場では、児童生徒
世界文化遺産・富士山に関する所蔵資料を相互活用し、国内外へ積極的に情報発信しようと、静岡県立中央図書館と山梨県立図書館は2日、連携協定を締結した。協定の有効期間は3年間で、今年度は両館が所蔵する膨大な富士山関連資料を分類し、データ化する。その後、両館の資料を学校教育の現場などで活用していきたいとしている。 富士山の世界遺産登録を機に静岡側が関連資料の貸し借りを進めたいと呼びかけ、協定を締結することになった。山梨側にも「東日本大震災を経て、他地域の図書館と連携する必要性を実感した」との認識があったという。 この日は、静岡県立中央図書館の河原崎全(あきら)館長と、山梨県立図書館の斉藤秀(すぐる)副館長が甲府市内で協定書に署名。河原崎館長は「隣県で今まで連携がほとんどなかったのが不思議。図書館職員の専門性をいかして情報発信したい」と述べ、斉藤副館長も「情報交換し、資料の有効な活用法を探りたい」と
恵那市中央図書館が5月から、子ども向けの読書手帳「えほんのおもいで」の配布を始めた。幼児期の子どもが読書に親しむきっかけにしてもらうのが狙い。本を借りたり、おはなし会に参加したりするとポイントが与えられ、集めたポイントで絵本がプレゼントされる。 3月末まで図書館長だった市保険年金課長の藤田和子さんが3年前、読み聞かせた絵本のことを子どもが覚えていなかったことから、「読んだ絵本のあらすじの記録や、家族のふれあいの思い出になれば」と読書手帳を作ることを思い立った。 手帳はA5判、26ページ。読んだ絵本などの内容や、お気に入りの本を星の数で表現できるほか、同図書館司書お薦めの絵本86冊も紹介している。 また、図書館や市内のコミュニティセンターで開かれる「おはなし会」に参加すると1回5ポイント、図書館やこども園などで本を借りると1冊につき1ポイントもらえる。小学校入学までに50ポイント以上集めると
宗像市は、複合施設「宗像ユリックス」内の市民図書館で、市民にお勧めの本を2冊選んでもらい、袋に入れて貸し出す「本のお中元」事業を実施する。袋にはお勧めの言葉を書いたメッセージを入れ、読んだ人には感想を書いてもらう。全国でも珍しい取り組みで、市図書課は「減少傾向にある図書館利用を促進する起爆剤にしたい」という。 お薦めの本がある人は図書館の蔵書から2冊を選び、カードに書名と著者名、「世界遺産に関する基礎知識を学びたい人にぴったり」「大地震や津波を題材にした歴史小説に関心があるなら、わかりやすくて参考になります」といった推薦の言葉を書いて、図書館のカウンターに提出。職員が本を袋に入れ、カードの内容を読めるようにして特設コーナーに並べる。 借りる人は、図書館利用カードを提示すれば、15日間借りられる。感想を記入したカードは図書館内に随時掲示し、来館者の関心を高めることにしている。 お勧めの本は6
農作物の需給バランスの不一致を解消しようと、芝浦工業大大宮キャンパス(さいたま市見沼区)の学生チームが、農家と取引先が出荷までの流れをインターネット上で共有できるシステムを試作した。 4月からさいたま市の農家と試験運用を始めており、チームは「全国の農家が利用できるシステムを完成させ、経営の安定に役立ててもらいたい」と意気込んでいる。 同大でシステム工学などを学ぶ学生6人でつくるチームは昨年、地域の課題解決を図る文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」の一環で、同市の農家グループが抱える課題を調査した。各農家が野菜の出荷日や量を書類に記録しているのに卸売業者や飲食店と情報を共有していないため、収穫しすぎて廃棄したり、逆に必要とされる時期に不足したりする現状を確認した。 このシステムは、卸売業者らに直接納入する農業グループが主な対象で、昨年10月から約4か月かけて作った。パソコンやスマートフォン
北九州市は25日、市が保有する公共施設を今後40年間で削減するにあたり、計画作りのたたき台となる考え方を明らかにした。延べ床面積で市営住宅を約30%、キャンプ場などの青少年施設を約50%、全体で20~25%減らす。膨らむ維持費を抑制するとともに、点在する各施設を駅近くに集約するなどして、利便性の維持に努めるという。具体的な削減率などについては、今後、住民らと協議して決める。 市によると、市が保有する公共施設は、旧5市ごとに整備されたケースが多く、1人当たりの延べ床面積は全国の政令市で最も広い約5平方メートルで、政令市平均の1・5倍に上っている。この規模を40年保った場合、年間に必要な予算は、現在使う額の倍近い平均301億円になるという。 市の発表では、市営住宅は建て替えを抑制しながら、民間の空き家も活用し、約30%減らす。小学校区ごとの市民センターなどは、利用が多いため数は維持するが、学校
濃密な文章で反時代的な私小説を書いた直木賞作家の車谷長吉(くるまたに・ちょうきつ、本名・嘉彦=よしひこ)さんが17日、死去した。 69歳。告別式は行わない。 同日朝、車谷さんが自宅で倒れているのを、妻で詩人の高橋順子さんが発見。病院に搬送されたが、食べ物を喉につまらせており、間もなく死亡した。 兵庫県生まれ。広告代理店勤務後、料理屋の下働きなどをしながら関西各地を転々とし、47歳で刊行した「鹽壷(しおつぼ)の匙(さじ)」で三島由紀夫賞などを受賞。2度の芥川賞候補の後、1998年、人間に絶望した男女の究極の愛を描く「赤目四十八瀧(あかめしじゅうやたき)心中未遂」で直木賞に選ばれ、2003年に映画化された。同作品は伊藤整文学賞にも決まったが、伊藤整とは文学観が違うと受賞を辞退、自らを「反時代的毒虫」と自称するなど、一徹さでも知られた。2001年、「武蔵丸」で川端康成文学賞。
文部科学省の有識者会議が、タブレット型の情報端末を使う「デジタル教科書」の導入について、議論を始めた。約1年半で結論を出すという。 有識者会議は、「導入ありき」の拙速な議論に陥ることなく、問題点をきちんと見極め、慎重に検討を進めてもらいたい。 今回の教科書のデジタル化論議の背景には、教育現場のIT化の流れがある。政府は、電子黒板の普及や児童・生徒への端末配備などを目指している。 動画や音声の機能が付いた端末の活用で、子供の興味や関心を呼び起こす効果が期待される。 独自ソフトを入れた端末を補助教材として使い始めた学校は少なくない。画面を動かしながら、立体の特徴を確かめたり、英語の正しい発音を聞いて、音読練習をしたりする学習が可能になった。 障害を持つ子供にとって、文字の拡大や文章の読み上げといった機能は、理解の助けになるという指摘もある。 ただし、教科書は、補助教材と異なり、すべての児童・生
松阪市の山中光茂市長は13日の記者会見で、辞任の意向を表明するきっかけになったPFI(民間資金活用)方式による市立松阪図書館の改修と運営について、PFIを用いず、来年度からの5年間も現行の指定管理者制度で募集する考えを示した。山中市長は「もうPFIでできる見込みがない。6月議会終了後に辞任する予定は変わっていない」などと話した。 図書館の改修整備については、先月の市議会特別委員会で、市側からPFI断念の方針が示された。現在の指定管理者との契約は今年度で切れるため、新たな運営業者を募り、来年度から5年間の運営を任せる。 また、運営契約には図書館の改修や自動貸出機整備など約6億1000万円(見込み)も盛り込む考えだという。 さらに、市立松阪図書館の運営問題を巡り、市民団体が6月初旬にも市議会の解散請求(リコール)に向けた署名活動を行う方針を示していることについて、山中市長は「議会と行政のあり方
「千代田Web図書館」では、生物の特徴を立体的に確認できる3D図鑑などが人気となっている(千代田図書館で) 電子書籍の普及が進む一方で、図書館での貸し出しサービスはほとんど進んでいない。 便利なようだが、なぜ広まらないのか。「電子図書館」の課題や今後を探った。 利用者、図書館の双方にとって、電子図書館のメリットは少なくない。高齢者や多忙な人など図書館に足を運びにくい人も、パソコンなどの端末さえあれば、いつでもどこでも借りられる。電子書籍には損傷や劣化がなく、「貸出期間」が終わればアクセスできなくなるから延滞もない。所蔵スペースの問題もなく、文字の拡大・縮小や文章の読み上げ機能もある。 だが、電子図書館の実例は、全国でわずか三十数館(日本図書館協会調べ。定義には幅がある)。全国の公立図書館数(3244館。2014年度)を考えると、サービスを導入している図書館は約1%にとどまっている。自治体数
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く