内之浦宇宙空間観測所(肝付町)から2003年に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」が、6月に地球に帰還する。数々の故障で満身創痍(そうい)状態になりながら、小惑星着陸という人類初の偉業を達成。最後の力を振り絞り宇宙を飛び続ける探査機に世界から注目が集まる。鹿児島県の関係者は「無事に帰って来て」とエールを送る。 「M5ロケット」5号機で打ち上げられたはやぶさは重さ約500キロで縦1.6メートル、横1メートル、高さ2メートル。火星と木星の間にある小惑星「イトカワ」を目指した。太陽系の起源を知る手がかりとなる表面の岩石を採取し、地球へ持ち帰るのが主な目的だ。当初は、07年6月ごろ地球に帰還する予定だった。 しかし、地球から約3億キロ離れたイトカワへの航行はトラブルの連続。三つある姿勢制御装置は二つが故障。05年11月に着陸したものの、直後に通信も途絶えた。 通信は06年1月に奇跡的に回復