◆航空・宇宙 ◇「はやぶさ」技術の粋 小惑星から7年ぶりに地球に帰還した探査機「はやぶさ」の成功は、世界に日本の宇宙技術の高さを見せつけた。はやぶさには、太陽光などを原動力とする「イオンエンジン」や、大気圏再突入の高温から守るシールドなど、日本の航空宇宙技術の粋が詰め込まれている。はやぶさの成功を今後、世界的なビジネスにどう生かすか。技術を提供したNECやIHIエアロスペースなど各社には、日本発の宇宙産業発展への期待がかかる。 一方、航空分野では、三菱重工業が10年9月、国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の生産を開始。62年に初飛行したプロペラ機「YS11」以来、半世紀ぶりの国産旅客機開発で、12年に初飛行、14年からは国内外の航空会社に納入される予定。先端技術を満載する航空機開発で日本の技術革新の裾野が広がり、他の産業への波及効果も期待される。【米川直己】