【台北=吉村剛史】日本の新幹線技術が基礎となった「台湾新幹線」を運営する台湾高速鉄道株式会社(台湾高鉄)が、昨年7月に中国・浙江省で追突事故が起きた路線に列車制御関連設備を納入した中国企業と技術提携し、事故後に新幹線中枢施設を公開していたことが関係者の証言で分かった。施設は信号システムなど日本が提供した新幹線技術が集積しており、台湾への技術輸出に携わった日本企業には中国への技術流出を懸念する声もある。昨年9月視察団派遣 台湾高鉄と高速鉄道技術の協力で提携したのは中国鉄道通信信号グループ(中国通号)。天津市にある支社で昨年4月、台湾高鉄側と「高速鉄路系統技術合作備忘録(覚書)」に署名した。 台湾の鉄道関係者によると、中国通号は、浙江省温州で200人以上の死傷者を出した高速鉄道追突事故後の昨年9月、技術幹部ら約10人を台湾に派遣。台湾高鉄側は台北郊外・桃園駅付近の新幹線コントロールセンターなど